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今回で第8回目となるあえりえるえりあ勉強会が1月20日(金) 19:00から開催します。今回は第8回ということで、8は漢字の八になっています。年も開けてめでたいということで、末広がりの八になっています。実行委員長のこの粋なはからいに誰が気づいたでしょう?全ては偶然ではなく、必然なのです。

8回目となるありえるえりあ勉強会の今回のお題は「PyPy」です。pyって付いていることからほとんどの人はPythonを想像すると思います。想像できなくっても気にしないでください。pypyというのは、Pythonで作られたPythonの処理系ですね。冗談のような本当の話です。jvmがjavaで書かれているようなもんですね。ちょっと違うか?

今回はpypyって何?っていう人向けにその説明から入ります。「キホン」に恥じない内容のはずです。キホンといえば、「セルフホスティングインタプリタ」ってなっていますが、セルフホスティングってどういうことなの?ブートスラップはどうなっているの?って言うお話だと信じています。が、ひょっとしたら、pypyを使ったおれおれ言語の作り方かもしれません。

その次に「静的解析」ってなっていますが、どんな話になるかは主催者もわかっていません。誰か、どんな内容になるのか、概要を教えてください。コンパイル時の最適化とかなのかな?

その後に、pypyの最もキホン的なお話といえばJITでしょう。CPythonにはないpypyの特徴になります。JITといえば、JVMのJITが有名なので知らない人はいないと思います。JITの基本的な説明から始まり、pypyのJITの理論と実装についてのお話らしいです。Pythonを知らなくても楽しめるということらしいので、Javaを使っている人たちもJITについてどうなっているのか理解が深まるかもしれません。

全体的にあまりPythonについて知らなくても処理系がどのように動作するのか、など、理解が深まると思います。アリエルとしては気分的にキホン的なことの勉強会だと思っています。

 

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ハイデラバードの話の続きです。

ハイデラバードの某大学の図書館に行きました。そこで設置してあるPCのOSはFedoraでした。ちなみに書架にもFedora本とRedHat本はたくさんありました。一方、Ubuntu本とDebian本はあまりありません。プログラミング言語の書籍は、C、C++、C#、Java、Perl、Pythonが揃っている印象でした。日本と比べて少ないと感じたのが、JavaScript、PHP、Rubyです。正確に言うとRuby本は探しても見つけられませんでした。もちろん、図書館なので、人気があって借りられている可能性も否定できません。

さて、今回は本が主題ではありません。図書館の設置PCの話です。

最近は、公共機関に設置するPCはWebブラウザさえ動けば充分な場合も多いと思われます。このため、無償OSでコスト削減する流れが一定数増えてもおかしくありません。

世の中の一部にはWindowsよりもUnix系OSのほうがセキュアという神話があります。しかし、何も考えずに設置したら大差ありません。むしろ、何も考えずに設置したらUnix系OSのほうが相対的に危険度が高い可能性もあります。

他のディストリビューションの動向を調べていませんが、Ubuntuはデフォルトで一般ユーザがsudoできます。代わりにsuコマンドを禁止しています。一見、rootユーザのパスワードの盗難リスクが減ってセキュアに見えます。そういう一面も否定しませんが、公共機関に設置するPCに関して言えば、sudoできるアカウントが普通に使われているのは大きなセキュリティリスクです。と言うのも、次のクラックをされる危険があるからです。

まず公共機関のPCから故意にログアウトします。係員の女性を呼んで「間違ってログアウトしてしまいました」と伝えます。女性が再ログインしてくれれば、指の動きからパスワードを盗めます。sudoのできるアカウントであれば、これでroot権限を取ったことになります。

パスワード入力の指の動きでパスワードを盗むのはアリエル社内では割とメジャーですが(Mさんのせいですが…)、何か決まった名前はあるのでしょうか。簡単な割には無防備な人が多くて驚きます。広義に言えばソーシャルクラッキングの一種ですが、正しく危険性を伝えるには特別な名前があってもいい気がします。

入力中に手を凝視していると視線からばれることもあります。そんな時は、あなたの手があまりに綺麗なので見とれていました、と言い訳します。このため、話しかける係員は若い女性でなければいけません。

この記事を読んでこのクラックを試してみようと思った人に警告しておきます。試さないほうが身のためです。罠かもしれません。簡単にパスワードを取れたと思って喜んだら改造sudoが仕込まれているかもしれません。sudoを実行した瞬間にピーピーと警告音が鳴って、背後に怖い人が並ぶことを想像してください。

アリエルも最近は普通のセキュリティ強化では飽き足らず、ハニーポット専門です。罠のかけかたを色々知っていると、面白半分のいたずらはリスクが大きすぎて手を出せません。小さないたずらの防止には知識を隠すのではなくどんどん明らかにしていくのが良い好例です。それにしても、しつこいですが、パスワード打つ時に無防備な人が多くて困ります。


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@t2y に「You’ve been writing only about cat, recently. I feel you are over.」っていわれちゃいました。そんなことではいけないと思い、それから最新のwebsocketに対応してくれ、ってリクエストが来ているwebscoketのpython clientもバージョンアップすべく、RFCになったほうを読んでいます。大きな処理の流れは、昔のwebsocketと大きくは違わないので割愛します。

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最初に注意事項です。下記の話は「たった3人」に聞いた話です。統計的な意味はまったくありません。念のため。

昨年末、インドのハイデラバードに行きました。そこで3人の学生と話す機会がありました。そして驚きました。なんと彼ら3人が揃いも揃ってVimユーザだったのです。

こう聞くと、なんだインド人のITスキルは凄いと聞いていたけれど、実はIT後進国なんだね可愛そうに、と思うかもしれません。

その認識は間違いです。インドの他の都市はともかくハイデラバードはIT先進都市です。Vim使いの学生たちのレベルも日本のトップ高の学生に引けを取りません。彼らはHadoopを使うプロジェクトに従事しています。Amazon EC2も使いこなしています。単なるツールの使い手というだけではありません。たとえばSVM、DHT、HMMなどの略語が説明なしで学生に通じます。略語は順にサポートベクタマシン、分散ハッシュテーブル、隠れマルコフモデルです。これらの略語がすらすら出てくるのは日本でもそういないレベルではないでしょうか。

揃いも揃ってVim使いと聞けば、Emacsは知っていますかと聞かざるをえません。学生たちはEmacsを知っていました。なぜEmacsではなくVimを使うのか聞いてみました。特に理由はない、みんなが使っているから、というのが答えでした。

やれやれ。

これが日本であれば、「GNUを知っていますか?」「FSFを知っていますか?」「GPLを正しく説明できますか?」「フリーソフトのフリーの意味を正しく答えられますか?」「ストールマンの業績を知っていますか?」と質問を矢継ぎ早に浴びせかけます。これらの質問のすべてに完璧に答えられる学生はそうはいません。圧倒的な情報量を前にした学生は恐れおののき正常な思考ができなくなります。そして己れの無知を恥じます。謝る学生にぼくは優しく声をかけます。大丈夫、無知は罪ですが救いはあります、と。Emacsです。Emacsを使えば過去の罪は消えます。

言うまでもありませんが、Emacsを強制する意図はありません。正しい知識を持った人であればVimを使っても問題ありません。エディタ選択は自由だからです。世の中すべての人がEmacsを使わなければいけないとは思っていません。罪深い気分の時にズクナシの曲を聞くのと同じ程度に、己れの無知の罪深さに対してEmacsに救いを求めればいいと思うだけです。

残念なことに相手に畳み掛けるほどの英語力は持っていないので、みんなが使っているからVimを使っていますと答えるインド人学生を前にして、驚きです以上の返しはできませんでした。世が世なら宣教師失格です。もっと英語を勉強しようと思いました。


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今年も残すところあと数十分となりました。今年のことは今年のうちに、という格言にしたがって、今年の5月くらいに書く予定だったブログ記事を書くことにします。およそ7ヶ月ですか。光陰矢のごとしとはよく言ったものです。

Gmailのようなファイル添付UIのサンプルとは、ファイルをブラウザにドラッグしてくるとドロップするための領域を表示するという挙動をするサンプルです。

弊社の製品ではGoogle Closure Libraryを利用しているので、ここでもClosure Libraryの力に頼ることにします。相変わらず流行る気配のないClosure Libraryですが、便利ですよ実際のところ。手軽ではありませんが。

さて、サンプルは https://gist.github.com/1544144 に置いておきます。

ポイントは、以下の4つです。

  1. ファイルがドラッグされたらドロップための領域(以下、DropZone)を表示する
    • listen すべきイベントは window に対する goog.events.EventType.DRAGENTER
  2. ファイルが DropZone にドロップされた、あるいはマウスポインタがウィンドウを外れたら DropZone を非表示にする
    • listen すべきイベントは window に対する goog.events.EventType.DRAGLEAVE
  3. ファイルがDropZoneにドロップされたら event オブジェクトからファイルが取得できるのでそれをハンドリングする
    • event.getBrowserEvent().dataTransfer.filesでファイルが取得できる
    • listen すべきイベントは goog.events.FileDropHandler.EventType.DROP
  4. 通常のファイル選択ダイアログからファイルが選択されたときに発火する goog.events.EventType.CHANGE も同様に listen する
    • このときも event.getBrowserEvent().dataTransfer.files でファイルが取得できる

ちょっとしたはまりポイントとして、2 は Firefox ではうまく動作しません。マウスポインタがウィンドウから外れたタイミングで goog.events.EventType.DRAGLEAVE が発火しないのです。そこで仕方なくタイマーをセットして、750 ms 時間が空いたら DropZone を非表示にするという処理を記述しています。これは Gmail がそのような挙動になっていたから真似をしました。ところが、久しぶりにGmailにアクセスしてみるとなんとFirefoxでもウィンドウを外れた直後にドロップ領域が消えるという挙動になっていました。いつの間に変わったんでしょう。というよりも、どう実装したのでしょう。これを調べるのは来年の抱負とします。あと、このサンプルではサーバーサイドにリクエストを投げるところまでは記述していないので、そこは適当に書いてください。

さて、ここまでは前フリです。この記事の本題は、果たしてドラッグアンドドロップという操作はこれからも生き残るのか、というものです。

スマートフォンやタブレットの普及にともないUIのデファクトスタンダードも変わりつつあります。その中のひとつに没入型UIがあります。要はアプリケーションのフルスクリーン化です。スマートフォンやタブレットは画面が狭いため1つのアプリケーションがすべての画面を専有する設計になっています。そしてその思想がパソコンのUIに流入してきています。

Mac OS は 10.7 (Lion) から標準的にフルスクリーンに対応しました。Windows も次期リリースの Windows 8 から Metro UI を採用し、フルスクリーンの UI を採用します。一方デスクトップ Linux で大きなシェアを持つ Ubuntu も Unity により没入型の UI を実現しました。

このように最近の OS はことごとくフルスクリーン化を推し進めています。そしてフルスクリーン化したアプリとドラッグアンドドロップは極めて相性が悪いです。よって、このままフルスクリーンが標準として広がっていくとドラッグアンドドロップという操作は忘れ去られてしまうかもしれません。

個人的には、ハードウェアの UI が変わらないのにソフトウェアの UI だけを変えても意味がないと思っています。もちろん汎用的に使える優れたソフトウェア UI はあると思いますが、スマートフォンやタブレットでうまくいったからといって、その UI をパソコンでマネしたところで使いやすいものにはならないでしょう(Mac の Launchpad を使いやすいと思っている人はいるのでしょうか)。

それでもフルスクリーン化を推し進めるというのなら、現在主流のファイルというインターフェイスを隠蔽した新しいUI体系を作る必要があると思います。それこそスマートフォンで実現されているように、ファイルを意識させることはなく、そこにはアプリとデータがあるだけで、あとはデータを受け渡すための仕組み(Android のインテントとか)があるというようなものです。触ったことがないのでわらかないのですが、Chrome OS はもうすでにそうなっているんでしょうか(Google Chrome がベースのままだとアプリが持っているデータの受け渡しができそうにありませんが)。とりあえず2012年リリースされるはずの Windows 8 がどのような形になるのかを楽しみにしておきます。

それでは、みなさま良いお年を。


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元祖Ariel Advent Calendar 2011の記事です。クリスマスなので就職面接の必勝法について書きます。

新卒でも中途でもどちらでも使えますが、それなりに若い人を想定しています。一定の年齢になっていれば、面接での小細工よりも実績で勝負すべきだからです。実績を積み重ねていれば、面接が多少下手でも採用に至るはずです。同様に、新卒や若い人でも、既に充分な実績や誇れる何かがあればこの記事は不要です。

とは言え、充分な実績を持つ若手は稀です。ほとんどの人はさして誇れるものもなく、売りもなく、挙げ句、下手な面接で採用の機会を逃しているのではないでしょうか。もったいないことです。そもそも就職活動は生産的な活動ではありません。さっさと就職して生産的な活動に精を出すほうが世の中のためです。

必勝法を文字どおり解釈すると、必ず勝つです。必ず通る面接なんてあるはずない、と反論がありそうです。それはそうです。採用の合否は相対的なものです。面接官との相性や運もあります。必ず勝つの意味は、自分自身に勝つの意味です。己に勝てば、結果も自ずとついてきます。面接に落ち続けると人生に負けた気分になりますが、老婆心ながら言っておくと、若いうちの面接の失敗なんてその後の長い社会人生活で見ると誤差です。面接に落ちることより、その結果、自分に負けるほうが問題です。

だからと言って、気楽にやればいいんだ、と無責任で役に立たないアドバイスは嫌いです。もっと実践的なアドバイスをしたいと思います。

面接必勝法に話を戻します。ひと言で書くと

過去は日常で語る、未来は非日常で語る

少し気取って書きました。クリスマスなので許してください。

この必勝法は、過去、多くのアンチパターンを見てきた結果、気づきました。アンチパターンは、過去を非日常で語り、未来を日常で語る応対です。次のような回答です。

  • 「授業でプログラミングをしたら面白さに目覚めて、自分にはプログラミングしかないと思いました」
  • 「見よう見まねでPHPを書いて動いたのが感動したので、この業界を志しました」

好きや熱意をアピールしたらダメなのか、と思うかもしれません。いえ、プログラミングやコンピュータが好きであることは重要です。好きでなければ続けられないからです。しかし、数ヶ月プログラミングしただけで好きのアピールをされても…が率直な感想です。せめて3年間はプログラミングを続けた上で好きと言って欲しいと思います。そして3年間続けていれば、その実績をアピールできるので、本記事の対象読者ではなくなります。繰り返しますが、この記事は、こういう実績のない人に向けて書いています。

言葉を飾ろうと話を膨らまそうと、ほとんどの人にとって、IT業界を目指さなければいけない衝撃の体験なんてないと思います。聞いているほうだって、ないと思っています。ないものをあるかのように話す必要はありません。

アンチパターンの人は、過去を非日常で語っておきながら、未来を日常で語ります。「入社したらどんなことをしたいですか」や「将来のキャリアは何か考えていますか」の質問に、「御社の期待する人材になれるように努めます」や「周りから認められて、仕事を任せてもらえる人になりたいです」などと答えます。がっかりです。

面接必勝法は、過去を日常で語り、未来を非日常で語ります。

自称平凡な人は過去の事実をたんたんと語ればいいのです。この目的は、継続できる力を示すことです。過去の自分を振り返れば、何かしら興味が継続しているものがあるはずです。IT業界と関係なくても構いません。継続してずっと好きである事実を語ります。好きな対象は徹底的に分類して整理しなければ気が済まないはずです。調べて調べて、そして様々なトライを繰り返すはずです。それを事実ベースで語ります。

たいした成果がないので何も語れません、と言うかもしれません。関係ありません。何をしたかの事実だけで充分です。なぜかと言うと、面接官が知りたいのは、相手が日常の平坦さを越えられるかどうかだからです。しかし、仕事だからつまらなくてもいいとか、苦しい仕事に耐えます、のような発言は求めていません。平坦な日常の中に楽しみを見出せるかが鍵です。平凡な過去に引け目を感じるかもしれませんが、逆手に取ります。平凡な日常を楽しんだ事実を語れば継続できる力をアピールできます。だから、本当はネガティブに過ごしていたとしてもポジティブに語りましょう。平凡な事実とポジティブな感情の組み合わせは、飾り立てた非凡な過去を上回ります。

過去は日常で語っても未来は非日常で語ります。

世界を変えたい。これぐらいぶちあげればいいと思います。

そんな大それたことを言えるような実績がありません、と思うかもしれません。経歴書を見れば実績がないことはわかっています。何者でもない自分を逆手に取ります。誰でも最初は何者でもありません。

ただ、世界を変えたいと言うと、どう変えたいのかと質問され、会話がどんどん具体的になるリスクがあります。せっかく非日常で語っているのに、話が具体的になったら作戦失敗です。それに、世界を変えたいという回答は、面接官によっては地に足がついていないと判断されるリスクがあります。なぜかと言うと、世界を変えるまでの道のりが見えないからです。

お勧めの回答は「トップになりたい」です。まず配属チームの中でトップになり、会社の中でトップになり、業界の中でトップになり、世界でトップになりたい、と答えます。抽象的で非日常な回答ですが、道のりが見える化されているのがポイントです。

なぜトップになりたいのかと聞かれたら、頂点に立たなければ見えない風景を見たいから、と答えます。

それパクリだろとつっこまれても開き直ります。自分は見たいと言い張ります。見たくないですか、と逆に面接官に問いかけてもいいと思います。面接官が見たいと思わないと答えようと、自分は見たいと言い通します。過去を美辞麗句で飾り立てても意味はありませんが、未来の夢は強気で押し通せばいいのです。抽象論のまま強気で一貫して押し通せば、結局、面接官に否定する術はありません。

P.S. 一瞬の熱意をこき使い、燃え尽きたら使い捨てる、人材を消耗品と見なす企業の場合、アンチパターンのほうが面接で通るかもしれません。


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Ariel Advent Calendar 2011の24日目の記事です。

みなさん、3連休どのようにお過ごしでしょうか。

28日が仕事納めで4日が仕事始めの場合、
3連休→3日→6連休→3日→3連休
となるので、休日にあまり使わないタイプの社内サーバーのメンテナンスには絶好のチャンス…と言えなくもないです。

また、いまだに debian lenny や CentOS4 を使っているという場合は、
来年の2月にやってくるサポート終了に向けて、アップデート等をするのに良い機会…とも言えます。

そこで、(社内向けでなく対外的なサーバーですが)、ありえるえりあが動いているサーバーの debian lenny から squeezeへのアップデートを行う事にしてみる事にしました。

ありえるえりあのサーバーについて

ありえるえりあは、サーバールームの隅に置かれているPCサーバー上で動いています。

dev 3rd

現在のサーバー。 最近9980円くらいで売っている所もあったらしいですが、購入した時はもう少し高かったはずのExpress5800 GT110bです。CPUはそのままでメモリだけ増設しています。CPU: Celeron G1101、メモリ4GB


dev 2nd

先代のサーバー。 1万5千円くらいで売っていた ML115G1+CPUとメモリを交換。CPUはAthlonX2 5400BE, メモリ4GB


dev 1st

先々代のサーバー。 DELL Dimension 2100 で、CPUはCeleron 1GHz、メモリは384MB。結構長い間稼働していました。

いきなり実環境でアップデートするのは怖いので、一旦クローンを作り、社内のVMWare ESXiサーバーのVM上でアップデートを試し、確認後、実環境でアップデートしようという事になりました。

クローンの作成

ESXiサーバーのVMにするので、VMWare vCenter Converter StandaloneでP2Vをしようと思ったのですが、
sshで公開鍵の認証を使っている環境からのP2Vの方法がわかりませんでした。

どうするか途方に暮れていた所、稼働中のシステムをブータブルなisoイメージに変更出来るという
Mondo rescue というツールが見つかりました。
http://www.mondorescue.org/

とりあえず、

  1. 対象サーバーに mondo rescueをインストール
  2. ブータブルなisoイメージ作成
  3. ESXiサーバーで参照可能な場所にコピー
  4. isoイメージを用いてVM作成

としてみます。

1. 対象サーバーに mondo rescueをインストール

debian5 (lenny)での Mondo Rescueのインストールは以下のページを参照して
http://www.tab2.jp/2009/05/debian-lenny-mondo-rescue.html
/etc/apt/sources.listに
——————————————–
deb ftp://ftp.mondorescue.org/debian 5.0 contrib
deb-src ftp://ftp.mondorescue.org/debian 5.0 contrib
——————————————–
を追加

# apt-get update
# apt-get install mondo
でインストール

2. ブータブルなisoイメージ作成

http://thinkit.co.jp/story/2010/12/22/1926?page=0,1やmanなどを参考に mondoarchiveコマンドでisoイメージを作成

圧縮方法として、bzip2とgzip、lzoを選べるようです。
圧縮率も0-9まで選べるようです。とりあえずは デフォルトのbzip2の圧縮と、lzoの圧縮を試してみました。

2.1. 通常のbzip2での圧縮の場合

# /usr/sbin/mondoarchive -Oi -N -p dev-20111213 -l GRUB -s 4480m -d /tmp
-Oi isoイメージ作成
-N nfsやsambaなどネットワークファイルシステムは対象外にする
-p isoイメージのファイル名のprefix
-l GRUB|LILO|ELILO|RAW ブートローダーの選択
-s isoイメージのサイズ。DVDだと4480mくらいらしい。これよりサイズが大きい場合はファイルが複数個生成
-d isoイメージの出力先

実行中は結構負荷が高めなので、深夜、早朝にするのが良さそうです。

* サイズ
-rw-r–r– 1 root root 4279570432 2011-12-15 23:44 dev-20111213-1.iso

* かかった時間
30分くらい
real 31m47.137s
user 25m58.173s
sys 2m11.944s

2.2. lzo圧縮の場合

-Lを追加してlzo圧縮をしてみます。
# /usr/sbin/mondoarchive -Oi -L -N -p dev-20111213 -l GRUB -s 4480m -d /tmp
こちらも実行中は結構負荷が高め。深夜、早朝にするのが良さそうです。

isoイメージ作成完了
* サイズ
-rw-r–r– 1 root root 4685103104 2011-12-13 23:47 dev-20111213-1.iso
-rw-r–r– 1 root root 167270400 2011-12-13 23:47 dev-20111213-2.iso
iso1個には収まりませんでした。

* かかった時間
15分くらい
real 14m34.298s
user 2m23.945s
sys 2m6.956s

圧縮率の指定をしていない場合、lzoの方が半分の時間で済みますが、
サイズは13%くらい大きくなりました。

3. ESXiサーバーで参照可能な場所にコピー

scpなどでコピー

4. isoイメージを用いてVM作成

ESXiサーバーでVMを作成し、isoイメージとしてmondo rescueで作成したisoイメージを使用します。
VMを起動し、isoイメージから起動すると画面に
boot:
と出てきますが、ここで
nuke ramdisk_blocksize=1024 と入力すると自動的にリストア開始
interactive ramdisk_blocksize=1024 と入力すると対話的なリストア開始
となります。(*1)

VMのディスクのサイズは実機とは異なるようにしたので、
interactive ramdisk_blocksize=1024 で実行
途中でパーティションなどの設定を変更しました。
ディスクサイズを揃えておけば、パーテションの設定変更はいらないと思います。

最後に終了しようとしても勝手にmondo rescueが再起動してしまう事態が発生。
どうしようもないので強制的にVMの電源を切りました。
その後VMを起動してみるとちゃんと起動しました。

(*1) ramdisk_blocksize=1024 は参考にしたページからそのまま
持ってきただけで、本当に必要かどうか、何故必要かどうかは、ちゃんと調べていません。すみません…

5. ネットワーク設定の変更

クローンのVMのホスト名をdev-clone.ariel-networks.comとしてみたので、
VMを起動し、/etc/network/interfaces, /etc/hostsname、/etc/hosts、/etc/mail あたりのネットワーク設定を変更しました。
wordpressのホスト名変更については、http://wpdocs.sourceforge.jp/Moving_WordPressを参考に、データベースのファイルをダンプし、
sed -e ‘s/dev.ariel-networks.com/dev-clone.ariel-networks.com/g’
で置換し、その後リストアしました。
wordpressのキャッシュのプラグインを入れている場合は、キャッシュを削除します。

これで、dev.ariel-networks.comのクローンのdev-clone.ariel-networks.comを作成出来ました。

mondo rescueで参考にしたページ

http://thinkit.co.jp/story/2010/12/22/1926?page=0,1
http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/mondorescue/mr_01/01a.html
debian5へのインストール
http://www.tab2.jp/2009/05/debian-lenny-mondo-rescue.html
CentOS5へのインストール
http://www.cozzbox.com/wordpress/archives/426

後編について

後編は単にdebian lenny ->debian squeeze にするだけなのですが、ちょっと後になると思います。

12/25のアリエルのAdvent Calendar

明日はCTO が狙っていたAriel Advent Calendar 2011の最終日を華麗に奪い去った @Shindows さんです。

最終日を奪われて失意のCTOは、元祖Ariel Advent Calendar 2011を立ち上げて12/25に書くとの事
他の賛同者10名も12/25に記事を書くようです。


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クラッキングしてありえるたんのアカウントを乗っ取ってやったわ。あんな小娘なんて片手でひねるなんて容易いものよ。覚悟なさい。今日はのっとったアカウントでみんなをけなしてやるわよ。

 

1日目: kiris – ありえるえりあ勉強会の開き方 | ありえるえりあ

 

偉そうに勉強会の計画を立てるって書いているけど、本当に計画を立てているのはあなたじゃないでしょ!全部お見通しなんだから。

2日目: buzztaiki – ArielとAmazon – 適当めも

 

ロゴの一部を入れ替えても違和感ないですって? 違和感、大ありよ。そんなことやってないで、会社にいらっしゃい。

3日目: nitro_idiot – アリエルの謎 (Ariel Advent Calendar 3日目) – 八発白中

 

入社前にググって、教育上ふさわしくない場所にいって会社調査しようとしたって分かっているんだから。白状なさい。

4日目: arieltan – とあるアリエル開発の日常 | ありえるえりあ

 

なにを偉そうに書いてんのよ。朝組なんてマイノリティでしょ。それから、ありえるたんはCTOじゃないんだからね(これは本当)。

5日目: shoma.h4a – 晒しage | ありえるえりあ

勝手に社内の写真、さらしているんじゃないわよ。なんで2万円のガンダム写さないの?って怒っている人、いたわよ。

6日目: kawanoshinobu – アリエルと Emacs と私

 

Emacsでvimもどきって、きもいにもほどがあるわ。変態なの? CTOの嘆きの種になっているじゃないの! あやまんなさいね。
7日目: 238238 – ariel_238:Ariel Advent Calendar 2011 7にちめ

 

その著作権的に危険な絵は何? 中国のディズニーランドみたいじゃない。そのうち、ライブ聞きに行ってやるわ。首を洗って待ってなさい。

8日目: goami – 日本語練習帳 : そう言えば、アリエルって?

 

高校野球のたとえ、イミフなんですけど〜。

9日目: user_localhost – netfilter で軽量トラフィック監視ツールを作ってみた | ありえるえりあ

IDSなんてなくてもマスターは空中に漂っている無線LANの電波を直接読み取って攻撃を検知するんだから。マスターの力を見くびらないでね。

10日目: rush_3232 – Aphrodite : 【番外編】Ariel Advent Calendar 2011 10日目-『皆のデスクでみつけたおもしろいもの』

 

しょーまたんと同じ路線じゃないの! ガンダムが写っているから、今回だけは許してあげるわ。

11日目: fjnli – Ariel AdC 11日目 ぷろぐらみんぐ言語ありえる – fjnlの生存記録のような何か

 

「ありえる」のせいで目がちかちかするようになったじゃないの。責任とりなさいよね。

12日目: sasagon – アリエル社内勉強会のUstream中継はどのよーに行なわれているのか

 

ustなんてどうでもいいわ。あなた、一体何歳なのよ。年齢不詳なのもいい加減にしなさいよね。

13日目: t2y – 本当はどっちが怖い!? 番長 vs CTO – forest book

 

ふん、あの二人、実は本当はとっても仲がいいんだから。会話しなくても意思疎通しているのを見た人もいるんだからね。
14日目: hideA801 – プログラム備忘録

 

男のくせに泣くんじゃないわよ。もっと何をやっているか書きなさいよね。

15日目: sodex – Arielの酒文化 – Just Do Live

 

酒ばかり飲んでんじゃないわよ。なんでサワーとハイボールがマイナスなのよ。信じらんない。

16日目: liris – アリエルの朝の変遷 | イベント | 踊るプログラマ物語 | あすなろBLOG

 

朝組のことばかり書いてんじゃないわよ。宗教みたいって言っている人までいるじゃないの。やめてよね。

17日目: m2ym – LOADTIMEVALUE: AllegroGraphでSemantic Wikipediaを実装してみた

 

勝手にタイムゾーンを変えて書いてんじゃなわよ。ここは日本よ。
18日目: nagai_masato – Nagai Masato no Blog: メールからエンジニアの活動パターンを調査する in Groovy

Groovyだけで遊んでんじゃないわよ。菅原さんが「GroovyはRubyの親戚」とか言っていたわよ。

19日目: 87shiro – GIMPであそぼ~なりゆきと結果編~ – テスト勉強用めもぶろぐ

 

もっとCTOをいじって遊びなさい。CTO実はとてもうれしそうだったわよ。

20日目: i__t – アリエルとオーディオ – impracticable theory – 机上の空論

 

えっ、アリエルがオーディオのために部屋を乾燥させているって?一緒に加湿器の写真も載せなさいよ。
21日目: piglovesyou – Node.js でしりとりを作りました – piglovesyouの日記

 

なぜ、こんなに短いの?せめて単語として正しいかどうかぐらいチェックなさい。

22日目: r_takaishi – ありえるたんがかわいい – うどん駆動開発

あんな小娘がかわいいですって?一番かわいいのは私よ。勘違いしないでよね。

明日はマスターよ。明日中に書きなさいよね。
 

 

 

 

 

 


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これは元祖Ariel Advent Calendar 2011の1週間前カウントダウン記事です。

Software Design 2011年10月号を読んでいます。今頃(9月発売の)10月号と言われそうですが、2ヶ月ほど前に3月号を読んでいたことを思えばかなりの進捗です。

この号の第1特集は「FreeBSD絶対主義」です。念のため書いておくと、一応、自分はかつてFreeBSDユーザでした。10年以上前ですが。

まだすべてを読んでいませんが、予想に反して面白い記事もあります。水野さんの記事は、前半はともかく、後半のZFSの部分は面白い記事です。ブートしないぐらいに環境を壊しても、ZFSのスナップショットで元に戻せる話です。GNU/Linuxでも同じことがしたいと思いました。何を使うのが現実的な解か知りませんが。

個人名は書きませんが、痛々しいと思える記事もあります。痛々しいと言うのは、認めたくない現実から目を逸らすかのような記述です。残念ですが、(少なくとも)10年前から比べると、FreeBSDの人気は落ちているのが現実だと思います。

こう書くと、OSの人気って何ですか?とか、人気が落ちている根拠を具体的に示してくださいとか、OSにとって人気は重要なんですか?とか、カーネルだけのLinuxとディストリビューションとしてのFreeBSDを比較する時点で間違っているので意味のない主張です、などの砲弾が飛んできそうです。でも流石に10年以上前にMLで高圧的な態度を取っていた人たちは一線から退いている気がするので杞憂かもしれません。

ぼく自身はFreeBSDのMLに投稿をしたことのないROMでしたが、一部の古参メンバーの発言に良い気分はしませんでした。誰の発言か覚えていませんし、当人に対する誹謗の意図はありませんが、こんなエピソードを覚えています。MLで誰かが返答(reply)の意味で「レス」という言葉を使ったのに対して、「レスって何ですか」と噛みついた人がいました。返答の意味で「レス」を使う文化は、あまりインターネットにはなく、パソコン通信発祥の用語ではありました。しかし、文脈から「レス」が返答の意図なのは自明でした。噛みついた側の論理は、コンセンサスを得ていない用語を説明なしに使うのは(コミュニティに対して)失礼だ、というものでした。

これはたまたま覚えているエピソードのひとつですが、当時、新入りに対する排他的な態度を隠さない古参が(一部)いたように感じました。百歩譲って、本当に「レス」の意味が分からなかったとしても、高圧的な態度を取る必要はなかったはずです。丁寧に、質問すればいいだけです。

当時のFreeBSDのMLやもう少し前の時代のfj時代に見られた、この手の高圧的な古参たちは今の自分の反面教師です。自分が古参になったら、新しい人に丁寧に接しようとずっと思っています。自分がそういう古参になれているのか自分自身では客観的に評価しづらいですが、気持ちとしては今でも持ち続けています。

ここまで前置きです(長い)。

認めたくない現実から目を逸らしている、と他人事のように書きました。しかし、これ自分にもあります。

ここ数年、薄々感じていましたが、目を逸らして抑圧してきました。今年も終わりに近づいているので思い切って書いてしまいます。

VimのほうがEmacsより勢いがある(…気がする)

認めたくない現実ですが、認めざるをえません。

下記はVim on Cloud9のスクリーンショットです。Vimのように編集できます。

このまま行くと、クラウド上のエディタ(って何?というツッコミは無しで)のデファクト標準はVimかもしれません。


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