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先日, 格安 OpenFlow スイッチの話を耳にしました. 調べてみると Pica8 というシリコンバレーベンチャーが作ったスイッチを知りました. 既に, 代理店を通じて販売もされているようです.

OpenFlow完全対応データセンタグレードのL2/L3スイッチを販売開始

OpenFlow 制御はというと OpenVSwitch (以下, OVS) をつかっているようです.
ギガビット Ethernet が 48 ポートでお値段 30 万円台. 激安です. ○EC ならこの 10 倍はします.

ところで世間的に今更な話題ですが, 先月発表された Kernel 3.3 で OVS がメインラインにマージされました.

ACM の国際会議で OVS の論文 が最初に登場したのが 2009 年の 9 月で, それから 2 年半で GNU/Linux のメインラインに乗るというんですから, まさに快挙です.
メーリングリストも日々パッチが送られてきて, めちゃめちゃホットです. 「こういうケースの書き方教えろ」とか「使い方がわからないよ」などといったメールが, たまーに来る程度のどこかのコミュニティとは雲泥の差です.

これも発案者に先見の明があった事に加え. 開発者の高い能力と不屈の精神で開発を続けた事, そして厳しい GNU/Linux コミュニティとの闘争を戦い抜いて, その上で認められた結果なのでしょう (グリーン OS とは一体何だったのでしょう).

ちなみに OVS は OpenFlow v1.1 及び v1.2 の一部をサポートされていると言われています. 実際 OpenFlow v1.2 から対応される IPv6 が既にサポートされたりしているのですが.
リリースノートを見る限りでは, パイプライン処理やグループテーブルといった OpenFlow v1.1 からの機能がサポートされていなかったりと, v1.0 の実装に v1.x の機能を抜き出して加えているといった感じのようです.

それでも OpenFlow 1.x 計画 なるものを作って頑張っているのですが.
OpenFlow v1.1 で規程されているマルチキャスト/ブロードキャスト, または特定のポートに対する転送などに対して複数処理をまとめて規程するのグループ処理などが “optional” 扱いになったりしてます.

OpenFlow v1.1 が正式策定されてから 1 年余り経って尚『openflow v1.1 に対応しているコントローラは無く, スイッチも皆無…』なんて言われていますが, もう OpenFlow v1.2 が提案されて, 昨年末に Open Network Foundation に承認されました.
おまけに, 2012/4/19 とつい先日に OpenFlow v1.3 が ONF の理事会で承認されました.

OpenFlow の取り巻く環境は日々進化を遂げ, メーカーやコミュニティがまだこれに追いついていない形ですが. 各所でサポートされてからあわてて「コレなんだっけ?」となるのは寒いので, まずは OpenFlow v1.1 から切り込んでみようと思います.

次回 につづく…


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「Emacsのトラノマキ」の原稿を公開します。画面上のメニュー「ドキュメント」からたどれます。

佐藤さんによる「怠惰なプログラマのためのドキュメント作成実践」です。Software Design 2010年9月号の掲載記事です。連載の中でも人気のあった記事です。org-modeの話ですが、みんなorg-modeが好きなんですね。

最近のEmacs界隈(なんてものがあるか知りませんが)の最大のニュースは松山(m2ym)さんのGoogle Summer of Code採択です。松山さんがいればたとえストールマンが死んでもEmacsは安泰です。


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最近の社内の新卒第1期生ブームを受けて、第ゼロ期生が本気を出し始めました。

もともと才能は一級品と言われてきた逸材です。そんな第ゼロ期生のレポートを本人了承を得た上で掲載します。トラフィック制限の話です。

iptablesのhashlimitでトラフィック制限

参考サイト

  • http://c-heart.sakura.ne.jp/mt/archives/2009/10/iptables.html
  • http://kfujio.blog78.fc2.com/blog-entry-72.html

設定

  • 特定のIPアドレスとの通信のhashlimitを1666パケット/secに設定
    (mtu = 1500の場合
    1666 (packets/sec) * 1500 (byte/packets) /1024/1024 = 2.38MByte/sec
    となる事を意図)
  • それ以外の通信については all pass

とします。

以下の例で通信相手のIPアドレスをAAA.BBB.CCC.DDDと表記します。

1. iptablesの起動/終了スクリプトを作成

参考サイト

2. 起動時にこの設定を読ませる(debian系)

とした後で/etc/network/interfacesに

を追加

3. 実験

とりあえずscpで実験してみたのですが、

  • 受信は大体意図通りに通信量を制限出来る
  • 送信は特に制限されているようには見えない

という感じになりました。

shaperdでトラフィック制限

もう少しちゃんと通信量を制御出来、なおかつ簡単そうなものは無いかと検索してみた所、shaperd というもので簡単に制御出来ると出てきました。

参考サイト

  • http://semind.github.com/blog/2012/02/24/shaperwoshi-tutepotodan-wei-dezhuan-song-liang-wozhi-xian-suru/
  • http://bto.la-terre.co.jp/support/shaperd.html

設定

  • 特定のIPアドレス … 送受信共にtcpについて 2000 KByte/secに制限
  • その他 … 全ての通信について、6000 KByte/secに制限

とします。

1. iptablesの設定を元に戻す

前回のhashlimit用のiptablesのチェーンを削除します。

2. ip_queueモジュールのロード

3. shaperdのインストール

4. 設定ファイルの編集

/usr/share/doc/shaperd 以下にある例を見て、/etc/shaperd/shaperd.confを作成。

最初、class restricted_in と class restricted_out の部分のみ書いて、class all 部分を書かなかった所、unmatched packet となってAAA.BBB.CCC.DDD以外からアクセス出来なくなってしまいました。queue limits の値は何が適当なのか不明です。

5. iptablesの設定スクリプトをコピー

debianのパッケージの場合
/etc/shaperd/up.d にiptablesのチェーンの登録スクリプト、
/etc/shaperd/down.d にiptablesのチェーンの削除スクリプト、
を置くとshaperdの起動/終了時に読み込んでくれるようです。

/usr/share/doc/shaperd/examples/ にスクリプトがあるのでこれをコピーして実行権限を付与

6. shapedの起動

  • /etc/init.d/shaperd start で起動
  • /etc/init.d/shaperd stop で終了

自動起動の場合は sysv-rc-conf か update-rc.dあたりで設定

7. 実験

scpで実験すると送受信共に大体設定通りに動いているようです。

起動時に

の警告が出るのが気になる所です。


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この4月にアリエルに入社した人たちは新卒第1期生と呼ばれています。IT企業らしく第ゼロ期も存在していますが、多くを語らないのが暗黙のルールです。

2013年度の新卒募集が始まりました。入社すると第2期生になります。2進数を使うとイチゼロ世代です。

アリエル新卒募集ページ

開発者はシャイな人が多いせいか、上記ページの「現職社員ページ」に開発者が出ていません。しかし、開発者も募集しています。ありえるえりあ読者に大学生がどれほどいるかわかりませんが、アリエルに興味があればエントリーしてみてください。エントリーは無料です。無料でエントリーさせてその後課金するようなこともありません。

5月ごろ開発志望者向けの説明会を行う予定です。アリエルが採用したい開発者像や入社後どのようなキャリアパスがあるかについて話します。こっそりD社とG社の悪口も言います。

説明会の主目的はアリエルの魅力を伝えることなので、そこをさぼる気はありません。ただ、美辞麗句を並べてアリエルに是非来てください、というプレゼンもしません。去年の新卒採用向けの説明会でもそうでしたが、もっと広い視野で、IT業界にソフトウェア技術者として就職する心構えを話したいと思います。

特定のスキル(言語、フレームワークなど)の習得は入社した会社で差がでます。しかし、どんなスキルが将来生きてくるかは運次第です。必要になった時に新しい知識を学べる学習スキルのほうが重要です。ただ、学習スキルの獲得は、どこの会社に入るかはあまり関係なく自分次第です。こう書くと、怠惰な人たちに囲まれたら怠惰になる危険があるので入る会社は大事だ、という反論がありそうです。危険はありますが、社外の勉強会で自分を鼓舞する機会は作れるはずです。そういう意味で自分次第です。

ひとつ自己努力だけで容易に学べないものがあると思っています。良い開発プロセスを経験できるかどうかです。良い開発プロセスとはウォーターフォールできっちりやるという意味ではありません。社内の開発者がどれだけ合理的にプロセスを改善しようとしているかが重要です。会社にそういう文化があるかどうかです。開発プロセスは日々の行動の積み重ねなので、勉強会で話を聞いたり本を読むだけでは限界があります(わかった気にはなれますが)。業界経験の浅い技術者であれば、良い開発プロセスがありそうかどうかで会社を選ぶのは良いと思います。学生に使える見極め方を説明会までに考えておきます。


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春なので新しいことを始めてみよう!という訳で、巷で話題沸騰中のスマートフォン向け JavaScript フレームワーク「Sencha Touch」をテーマに、ありえるえりあミニ勉強会を開催することになりました。

Sencha Touch なにそれ?という方は、以下のデモサイトを一度ご覧下さい。
http://dev.sencha.com/deploy/touch/examples/production/index.html
(※スマートフォン、もしくは、Chrome、Safari からのアクセスをお願いします)

全6回のシリーズで、以下の内容を予定しています。

勉強会はハンズオン形式で、終了時には、参加者各自がオリジナルの Sencha Touch アプリを完成させて頂ければと考えています。

実は、9月末か10月あたりに、Sencha Touch 界隈で有名なあるエンジニアの方を海外からお招きして、ありえるえりあ勉強会に登壇して頂く予定です。交渉は済んでいて、後は詳しい日程を調整する段階です :)
オリジナルの Sencha Touch アプリが完成したら、その人にぜひ自慢しちゃいましょう!

という訳で、第1回を 4/25(水) に開催します。

「ありえるえりあミニ勉強会#1 スマホのWebアプリ作るならSenchaTouchだよねjk」
http://connpass.com/event/421

Sencha Touch に興味のある方がどれ位いるのか不安だったりしますが、、WEB アプリ開発の経験がある方で、作ってみたいスマホアプリのアイデアがある方には最適な内容になるのでは、と考えています。もしくは、jQuery Mobile を試してみたけど、もう少し複雑なことができるものを求めている方とか、、。

初回はハンズオンではなくスライドを使ったプレゼンなので、 Sencha Touch ってどんなものか覗いてみよう、といったお気軽な感じで、ご参加頂ければと思います。


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金曜日、KLab元CTOの仙石さんからありがたい話をいただきました。

話は、開発者の採用、教育、評価あるいは開発者の心構えなど多岐に渡りました。いくつも興味深い話がありましたが、個人的に一番聞いて良かったと思える話を紹介します。表題の件です。

若いプログラマの中には年をとってもマネージャになりたくないと言う人がいます。他人事ではなく自分もそのひとりでした。若い時にマネージャ志望のキャリアパスに語ることは、プログラマとしての自分の誇りを傷つける気がしていました。マネージャを偉いと見なす風潮が、技術に対する裏切りのような気分がしていました。技術者をマネージャより低いと位置づけるのが許せませんでした。

たぶんピュアだったのでしょう。そんな経験があるので、今でもピュアな若者は好きです。本物のプログラマになるには、技術だけに一心に向き合うピュアな期間が必要だと信じています。そして、技術に真摯に向き合うピュアな若者に、マネージャしかキャリアパスがない世界は見せたくありません。マネージャ以外のキャリアパスを示してあげたい思いがあります。

この問題は古くて新しい問題です。解決策として多くのソフトウェア会社は、プログラマに対してマネージャ職とエキスパート職の区分でふたつのキャリアパスを用意しています。名称は会社によって違いはありますが、部下を持って人を管理する職能を目指すか、部下を持たず技術に専念する職能を目指すか、ふたつのキャリアパスを用意するのは常套です。

ここまではこの業界では半ば常識です。自分の中で今までしっくり来ていなかったのがエキスパート職がどう偉くなるのか、という部分です。一般論で言えば技術を極めるのが目指す道です。しかし、技術を極めて偉くなっていく姿が自分の中でうまく説明できませんでした。

会社の中で、若いプログラマに対してエキスパート職というキャリアパスがあることは説明できても、そのキャリアでどうやって偉くなっていくのか適切に示せませんでした。偉くなるには技術を極めろと伝えることはあっても、不明瞭さに違和感が残り続けました。これがマネージャ職なら説明は簡単です。なぜなら部下が増えることが偉くなることと等価だからです。偉いマネージャは部下が多い、単純明解です(これの良し悪しを言及する気はありません)。

エキスパート職に関する仙石さんの見解は単純かつ明解でした。エキスパート職の職能は、まわりに良い影響を与えられるか、だと言いきりました。

これでエキスパート職のキャリアパスも単純明解に説明できます。どれだけ多くの人に良い影響を与えられるかで測れるからです。影響は簡単に目に見えないので、マネージャ職に比べると依然として偉さの見える化は弱い部分です。しかし、技術を極めたほうが偉いよりは、より多くの人に影響を与えられるほうが偉いのほうが指標が見える化できそうです。

特定の狭い技術に閉じこもっていると、たとえその分野を極めても、まわりの誰にも良い影響を与えていなければ会社として高い評価はできない理屈になります。会社としては合理的です。

最後に誤解のないようにひとつだけ書いておきます。会社で偉くなるべきだとは一言も書いてはいません。会社で偉くなりたいと思うのは単なるひとつの価値観です。偉くなるのは給料を多くもらえるということです。ただそれだけのことです。何を価値観にして生きていくかは個人の自由だからです。


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アリエル開発部の大山です. 前回 のつづきです.

前回紹介した Floodlight コミュニティの大物 Rob Sherwood 氏から送られてきた

的なメールへの返答をどうするのか. という話でした.

こちらの唯一の逃げ道だった『モジュール機構の不備』を塞がれてしまった上,
小細工の通用するような相手ではありません.
そこで, 次の内容のメールを送ります.

開き直りました.
真っ向勝負で勝てないと踏み, 技術的な話を織り交ぜながら, 細い道に逃げ込む作戦です.
また Floodlight の調査が甘かった非は認めつつも,
『おたくんトコのその辺はどうなのよ?』と切り替えします.

すると翌日, 意外な反応を示します.
冒頭, 次のような内容から始まります.

「決して Floodlight が NOX に喧嘩を売っているんじゃないんだよ
(こいつが勝手に一人で暴走しただけなんだよ) 」
という書き出しから, NOX への敬意と配慮を伺わせる冒頭です.

なるほど, さすがに Big Switch 率いる Floodlight も, 無闇に NOX との火種を生みたくないのか (火種にしかけた A 級戦犯のセリフではないですが).
それもそのはず, NOX には OpenFlow 策定の中心人物であるスタンフォード大学の Nick McKeown 氏などが携わり,
おまけに OpenFlow が提唱された 2008 年と同年に,
ネットワーク界隈で最も権威ある国際会議 SIGCOMM で発表されており,
以降の多数の OpenFlow 関連研究の論文で, 当たり前のように NOX が利用されています.

その後, Sherwood さんからは nox-dev に流した事への軽いお叱りの言葉と共に,
Floodlight が新たに実装したモジュール機構について教えてもらいました.

向こうにしてみれば, 最初に喧嘩を売ってきたのはこちらなわけですが.
そんな僕に対して, 最後まで紳士的に対応をしてくれた Sherwood さんは間違いなく大物です.

最後に, Floodlight のモジュール機構についていろいろ教えてくれたお礼と,
nox-dev に流したことのお詫びメールを送り, 今回は一件落着しました.

ちなみに, 公開されている一連のやりとりの原文は こちら から見れます.

そしてこの件で, NOX コミュニティの大物 Murphy McCauley 氏の目に止まり,
何度かクローズドなメールのやりとりをした後,

NOX 公式ページで Jaxon が紹介されました !!

[ 尚, 本文中で出てくる Kumoi プロジェクトはアリエルとは無関係です. ]


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sencha-packaging

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>> iOS アプリ開発を Windows PC 上で!

Sencha Touch 2 のリリースを報じる記事で、ネイティブパッケージング機能が大きく取り上げられていました。記事を読んで興味を惹かれた方も多いようなので、今回は Windows で iOS アプリ(iPhone、iPad で動くアプリ)を開発する手順について、ご紹介させて頂きたいと思います。

Problem:

Solution:

実際のところ、作業はコマンドひとつで完了します。通常通り Sencha Touch で WEB アプリを開発した後、以下のコマンドを実行すると、iOS で実行可能なアプリケーションファイル(.app)が生成されます。

 
ネイティブパッケージングで変換した iPhone アプリを iTunes のAppセクションに配置しています。

但し、、コマンドを実行できるようになるまでが、それなりに面倒な道のりです。

1. Sencha SDK Tools のインストール

まず、Sencha コマンドを実行できるようにするために、Sencha SDK Tools をインストールします。ダウンロードは以下のサイトから。
http://www.sencha.com/products/sdk-tools/download/

ダウンロードしたインストーラを起動し、ウィザードに従ってインストールします。

コマンドプロンプトを起動し、sencha コマンドが実行できるか確認します。 Sencha Touch 2 SDK(既にダウンロード済みの想定です。ダウンロードはこちら) のルートディレクトリに移動し、 sencha コマンドを実行して下さい。以下の表示が出れば OK です。

# Sencha Touch 2 SDK のルートディレクトリに移動しているのは、sencha コマンドの特殊な仕様のためです。sencha コマンド実行時、ディレクトリに .senchasdk ファイルがあれば、そのファイルに記載されているパスから SDK を探します。ない場合は、環境設定のパスから SDK を探します。今回は、Sencha Touch 2 SDK に同梱されているコマンドを利用するので、そのコマンドまでのパスが書かれた .senchasdk がある場所まで移動しました。プロジェクトのルートディレクトリで実行したい場合は、そこに .senchasdk ファイルを作成して、Sencha Touch 2 SDK までのパスを記載すれば OK です。

# 現在(2012.3)の最新バージョンだと、Program Files(x86) にインストールするとうまく動きませんでした。適当なディレクトリを作って、そこにインストールした方がいいかもしれません。

2. P12形式のプロビジョニングの証明書を作成する

Sencha SDK Tools は iOS アプリにパッケージングする際に、プロビジョニングの証明書を利用します。もし Apple の iOS Developer Program に登録していない場合、まずは登録を行う必要があります。(登録料は ¥8,400 かかります。高いですね。。)

2-1. Visual C++ 2008 Redistributables と Open SSL のインストール

Windows で P12形式の証明書を作成するために、Open SSL をインストールします。
Open SSL を動かすためには VCRedist も必要なので、それも併せてインストールします。

2-2. 証明書の作成

Open SSL を使って、P12形式の証明書を作成します。コマンドの手順等は、以下のドキュメントを参照して下さい。
http://docs.sencha.com/touch/2-0/#!/guide/native_provisioning

すみません、少し端折り気味なのは、ドキュメント通りに進めても、私の環境ではうまくいかなかったからです。。最終的に、空っぽのP12ファイルが出来上がりました。。残念です。。環境依存の問題だと思われるので、一度試してみて頂ければと思います。

幸い、Mac OS で生成した P12ファイルがあるので、以降はそのファイルを使って進めました。

3. パッケージ設定ファイルを作成する

ネイティブパッケージングに必要な設定ファイル(.json)を、プロジェクトのルートディレクトリに作成します。以下にサンプルを記載します。

ポイントは、certificatePath に、作成した P12ファイルのパスを指定すること、 deviceType に、iPhone(もしくは iPad)を指定するあたりです。

ドキュメントに設定の詳細説明がありますので、ご参照下さい。
http://docs.sencha.com/touch/2-0/#!/guide/native_packaging

以上で準備が完了です。

コマンドひとつで、ネイティブアプリに変換できるようになりました :)

Discussion:

Windows では iOS SDK 付属のエミュレータが使えないので、動作確認は実機で行うしかないのですが、それでも、Mac OS 以外の環境で iOS アプリを作れるのは、なかなか便利だと思います。

内部では、バージョン1 の頃に推奨していた PhoneGap ではなく、Qt (キュート)という開発フレームワークを SDK Tools の中に隠蔽して利用しています。Qt の利用は、Sencha がライセンス契約しているので、 Sencha Touch を使うユーザーは特に意識しなくても構わないよう。 PhoneGap のような外部サービスとの連携ではなく、フレームワークの一部として機能を備えることで、 Sencha Touch に最適化したネイティブパッケージングを実現しようとしているようです。

今回ご紹介した Windows での iOS アプリ開発、実際のプロジェクトに採用するかどうかは、状況次第でしょうか。

モバイルアプリは、開発環境を整えるのが大変でしたが、近年、いろんなソリューションが増えてきましたね。個人的には、Brightcove App Cloud や Yコンビネータが出資している trigger.io などのクラウドベースのモバイルアプリ開発プラットフォームに注目していたりします。

追いかけていくのは大変ですが、生産性を高めてくれる便利な開発ツールが新しく出てくるのは、とてもわくわくします。 Sencha Touch のこれからにも期待です。

See Also:

– Sencha の開発者によるネイティブパッケージングの紹介動画
http://vimeo.com/37207689


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先月, 楽天で技術理事を務める吉岡さんに会いました.
吉岡さんと言えば, ミラクルリナックスの元CTO もしくは「GNU/Linux カーネル読書会」の主宰として有名ですが. 何で, ミラクルのような開発部主体の組織と企業文化の大きく異なる楽天に居るのか気になるところでした.

その辺を聞いてみたところ.
「楽天の営業主体の企業文化を開発者が生きられる世界に変える」
といった類の内容を話されていましたが.
開発コミュニティの権化とも言える吉岡さんをそういったポジションに据える事でコミュニティのデベロッパーを集める楽天の戦略は実にさかしいです.

具体的に何をされているのかを聞いてみると,
「コミュニティ参加をするための指南を行うために, 社内の勉強会に参加したりしている」
とのことでした.

確かに楽天は Cassandra コミュニティなどに対して, 貢献している事は有名ですが.
正直, 『えっ?それだけ?』といった感じを当時受けました.
あの吉岡さんというハッカーを, 部下をひとりも付けるでもなく, コミュニティ指南役に専従させる人事は (楽天の社員でもなければ, まして経営や人事権限を預かる身分でもない僕が言うのは甚だ僭越ですが) 実に贅沢な使い方です.

話が反れましたが, Jaxon の話です.

NOX を利用して OpenFlow protocol のやりとりを実現しているわけなので, nox-dev に報告しました.

すると翌日, 思わぬ人から思わぬ内容のメールが届きました.

迂闊でした. NOX メーリングリストということで完全に油断をしているところを突かれました.
これは絶対に怒ってます.

コミュニティにメールを投げて, 無視されるのは慣れっこでしたが. こうやって槍玉に挙げられるのは初めての経験で, どうしたものか困りました.
『こんな時に, コミュニティ指南をしてくれる人が身近に居たら…』楽天でコミュニティ専任の吉岡さんの重要性を痛感しました.

おまけに, 差出人の Rob Sherwood さんですが. そこにも書かれているとおり, Floodlight コミュニティの大物である事に加えて,
世界のトップカンファレンスの OSDI や SIGCOMM に多数通過するなどの凄まじい研究業績を持つ一流の研究者で, バリバリのネットワーク屋さんです.

また状況から見て, 間違いなくこちらから喧嘩をふっかけている形です.
加えて, 向こうがこっち (Jaxon) の存在理由を認めれば, あちら (floodlight) の存在理由のほとんどが否定されてしまうので, 絶対引き下がってはくれません.
おまけに相手が相手です. 仮に僕がアカデミックの世界の住人で, 慶応大の村井研やその直系の奈良先端大の山口研などの研究室ないしは, WIDE 関係の人間であれば, 社会的に死んでいたでしょう.

正直, ガチンコ勝負での勝ち目はゼロです.
しかし, こういった局面を打破してこそのコミュニティの世界での道が開けるとしらたら, ここは避けては通れません (まして逃亡などは論外です).

次回につづく


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4月に入社する新卒に向けて資料を作っている人がいました。何を作っているか聞いてみると、メールを使うための設定手順書でした。

新しく入社する人は過去にもいます。その時に渡す資料にサーバ名、認証方式、アカウント情報と必要なことは記述されているはずです。いつも使っている資料はダメなのかと聞くと、いつもの資料以外にThunderbirdの設定手順書を作っているとのことです。

過保護すぎます…

アリエルに入社するぐらいの新卒なら、サーバ情報すら教えなくてもいいぐらいです。社内ネットワーク内にあるメールサーバぐらい自力で探させればいいのです。既成のポートスキャンツールを使ってもいいですし、ポートを叩いてまわる簡単なスクリプトを自分で作ってくれてもいいです。社内サービスのポートを勝手に叩かれたと文句を言う人がいたら、空いているポートを叩いて何が悪いと開き直ればいいです。万が一侵入できたら侵入されるほうが悪いのです。それがアリエルの論理です。

サーバを見つけたら認証方式ですが、これもなんとかなるでしょう。telnetでつないで当ててもいいですが、そもそもThunderbirdから設定できる認証方式は有限の組み合わせです。試せばいつか当たります。これは冗談ではなく、有限の組み合わせで、かつ組み合わせ数が手動で試せそうな時、さっさと手を動かし始める感覚は実務でも重要なセンスです。

Thunderbird設定手順書を渡された新卒の人には、バカにするなー、と切れてほしいものです。

サーバを自力で探せは冗談ですが、真面目な話、Thunderbirdの設定項目を探すぐらいはIT業界で生きていく上でできてしかるべきではないでしょうか。CUIはわかってもGUIはわからないと言い張る強者なら許しますが。


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