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先月, 楽天で技術理事を務める吉岡さんに会いました.
吉岡さんと言えば, ミラクルリナックスの元CTO もしくは「GNU/Linux カーネル読書会」の主宰として有名ですが. 何で, ミラクルのような開発部主体の組織と企業文化の大きく異なる楽天に居るのか気になるところでした.

その辺を聞いてみたところ.
「楽天の営業主体の企業文化を開発者が生きられる世界に変える」
といった類の内容を話されていましたが.
開発コミュニティの権化とも言える吉岡さんをそういったポジションに据える事でコミュニティのデベロッパーを集める楽天の戦略は実にさかしいです.

具体的に何をされているのかを聞いてみると,
「コミュニティ参加をするための指南を行うために, 社内の勉強会に参加したりしている」
とのことでした.

確かに楽天は Cassandra コミュニティなどに対して, 貢献している事は有名ですが.
正直, 『えっ?それだけ?』といった感じを当時受けました.
あの吉岡さんというハッカーを, 部下をひとりも付けるでもなく, コミュニティ指南役に専従させる人事は (楽天の社員でもなければ, まして経営や人事権限を預かる身分でもない僕が言うのは甚だ僭越ですが) 実に贅沢な使い方です.

話が反れましたが, Jaxon の話です.

NOX を利用して OpenFlow protocol のやりとりを実現しているわけなので, nox-dev に報告しました.

すると翌日, 思わぬ人から思わぬ内容のメールが届きました.

迂闊でした. NOX メーリングリストということで完全に油断をしているところを突かれました.
これは絶対に怒ってます.

コミュニティにメールを投げて, 無視されるのは慣れっこでしたが. こうやって槍玉に挙げられるのは初めての経験で, どうしたものか困りました.
『こんな時に, コミュニティ指南をしてくれる人が身近に居たら…』楽天でコミュニティ専任の吉岡さんの重要性を痛感しました.

おまけに, 差出人の Rob Sherwood さんですが. そこにも書かれているとおり, Floodlight コミュニティの大物である事に加えて,
世界のトップカンファレンスの OSDI や SIGCOMM に多数通過するなどの凄まじい研究業績を持つ一流の研究者で, バリバリのネットワーク屋さんです.

また状況から見て, 間違いなくこちらから喧嘩をふっかけている形です.
加えて, 向こうがこっち (Jaxon) の存在理由を認めれば, あちら (floodlight) の存在理由のほとんどが否定されてしまうので, 絶対引き下がってはくれません.
おまけに相手が相手です. 仮に僕がアカデミックの世界の住人で, 慶応大の村井研やその直系の奈良先端大の山口研などの研究室ないしは, WIDE 関係の人間であれば, 社会的に死んでいたでしょう.

正直, ガチンコ勝負での勝ち目はゼロです.
しかし, こういった局面を打破してこそのコミュニティの世界での道が開けるとしらたら, ここは避けては通れません (まして逃亡などは論外です).

次回につづく


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