アリエル開発部の大山です. 前回 のつづきです.
前回紹介した Floodlight コミュニティの大物 Rob Sherwood 氏から送られてきた
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NOX が Floodlight より優れてるとか抜かしてるけど. 現在の Floodlight のモジュール機構は NOX 並に備わってるけど見てないの? |
的なメールへの返答をどうするのか. という話でした.
こちらの唯一の逃げ道だった『モジュール機構の不備』を塞がれてしまった上,
小細工の通用するような相手ではありません.
そこで, 次の内容のメールを送ります.
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Floodlight コミュニティに大して配慮の欠けるメールを送って悪かったですが. NOX は共有ライブラリを動的に組み込む強力なモジュール機構 (中略) があって. 当時 Floodlight を調べた際には, 本体のコード直書きというひどい状態でした. Floodlight のコード詳しくないんですが, 今はどういう実装になってるんですか? |
開き直りました.
真っ向勝負で勝てないと踏み, 技術的な話を織り交ぜながら, 細い道に逃げ込む作戦です.
また Floodlight の調査が甘かった非は認めつつも,
『おたくんトコのその辺はどうなのよ?』と切り替えします.
すると翌日, 意外な反応を示します.
冒頭, 次のような内容から始まります.
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NOX コミュニティの皆さんへ: クローズドな会話してたんですが. どういうわけか (こいつのせいで) 公開になっちゃいましたが. 別に nox-dev で Floodlight が幅を効かせようなんて思っちゃいません. お互いのような様々なプロジェクトがあることによって, OpenFlow 全体を下支えされているんだと思っています. |
「決して Floodlight が NOX に喧嘩を売っているんじゃないんだよ
(こいつが勝手に一人で暴走しただけなんだよ) 」
という書き出しから, NOX への敬意と配慮を伺わせる冒頭です.
なるほど, さすがに Big Switch 率いる Floodlight も, 無闇に NOX との火種を生みたくないのか (火種にしかけた A 級戦犯のセリフではないですが).
それもそのはず, NOX には OpenFlow 策定の中心人物であるスタンフォード大学の Nick McKeown 氏などが携わり,
おまけに OpenFlow が提唱された 2008 年と同年に,
ネットワーク界隈で最も権威ある国際会議 SIGCOMM で発表されており,
以降の多数の OpenFlow 関連研究の論文で, 当たり前のように NOX が利用されています.
その後, Sherwood さんからは nox-dev に流した事への軽いお叱りの言葉と共に,
Floodlight が新たに実装したモジュール機構について教えてもらいました.
向こうにしてみれば, 最初に喧嘩を売ってきたのはこちらなわけですが.
そんな僕に対して, 最後まで紳士的に対応をしてくれた Sherwood さんは間違いなく大物です.
最後に, Floodlight のモジュール機構についていろいろ教えてくれたお礼と,
nox-dev に流したことのお詫びメールを送り, 今回は一件落着しました.
ちなみに, 公開されている一連のやりとりの原文は こちら から見れます.
そしてこの件で, NOX コミュニティの大物 Murphy McCauley 氏の目に止まり,
何度かクローズドなメールのやりとりをした後,
[ 尚, 本文中で出てくる Kumoi プロジェクトはアリエルとは無関係です. ]
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