先日, 格安 OpenFlow スイッチの話を耳にしました. 調べてみると Pica8 というシリコンバレーベンチャーが作ったスイッチを知りました. 既に, 代理店を通じて販売もされているようです.
“OpenFlow完全対応データセンタグレードのL2/L3スイッチを販売開始”
OpenFlow 制御はというと OpenVSwitch (以下, OVS) をつかっているようです.
ギガビット Ethernet が 48 ポートでお値段 30 万円台. 激安です. ○EC ならこの 10 倍はします.
ところで世間的に今更な話題ですが, 先月発表された Kernel 3.3 で OVS がメインラインにマージされました.
ACM の国際会議で OVS の論文 が最初に登場したのが 2009 年の 9 月で, それから 2 年半で GNU/Linux のメインラインに乗るというんですから, まさに快挙です.
メーリングリストも日々パッチが送られてきて, めちゃめちゃホットです. 「こういうケースの書き方教えろ」とか「使い方がわからないよ」などといったメールが, たまーに来る程度のどこかのコミュニティとは雲泥の差です.
これも発案者に先見の明があった事に加え. 開発者の高い能力と不屈の精神で開発を続けた事, そして厳しい GNU/Linux コミュニティとの闘争を戦い抜いて, その上で認められた結果なのでしょう (グリーン OS とは一体何だったのでしょう).
ちなみに OVS は OpenFlow v1.1 及び v1.2 の一部をサポートされていると言われています. 実際 OpenFlow v1.2 から対応される IPv6 が既にサポートされたりしているのですが.
リリースノートを見る限りでは, パイプライン処理やグループテーブルといった OpenFlow v1.1 からの機能がサポートされていなかったりと, v1.0 の実装に v1.x の機能を抜き出して加えているといった感じのようです.
それでも OpenFlow 1.x 計画 なるものを作って頑張っているのですが.
OpenFlow v1.1 で規程されているマルチキャスト/ブロードキャスト, または特定のポートに対する転送などに対して複数処理をまとめて規程するのグループ処理などが “optional” 扱いになったりしてます.
OpenFlow v1.1 が正式策定されてから 1 年余り経って尚『openflow v1.1 に対応しているコントローラは無く, スイッチも皆無…』なんて言われていますが, もう OpenFlow v1.2 が提案されて, 昨年末に Open Network Foundation に承認されました.
おまけに, 2012/4/19 とつい先日に OpenFlow v1.3 が ONF の理事会で承認されました.
OpenFlow の取り巻く環境は日々進化を遂げ, メーカーやコミュニティがまだこれに追いついていない形ですが. 各所でサポートされてからあわてて「コレなんだっけ?」となるのは寒いので, まずは OpenFlow v1.1 から切り込んでみようと思います.
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