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昨年に引き続き、今年もインドから2名のインターンシップ生がやってきました。彼らは大学3回生だそうです。採用チームの人事ブログで彼らの紹介があるので良かったらご覧ください。

インターンシップ生を受け入れるのは2年目なので、昨年よりは彼らが業務に携わりやすいように英語の資料やオリエンテーションの質が上がっていますが、それでもかなり不十分なのが実情です。普通の日本企業で働いていると、それだけ私たちは日本語を前提とした考え方、業務、ワークフローを構築していることに彼らが加わることによって気付かされたりもします。

日本語と英語の壁

例えば、せっかく Javadoc にメソッドの説明があってもそれが日本語で書かれているため、彼らが IDE を使っているとがっかりするだろうなと思うときもあります。それは、私も過去に中国語でコメントされたソースコードを見たときのがっかり感から来ています。あーあって気分です。

昔はバージョン管理システムで文字化けしたり、バグったりするからソースコードに日本語を書くな的なルールにも一定の利がありましたが、いまはそんなこと言うと、英語が読める人 vs 読めない人の対立になってしまうので難しいところです。ソースコードもコミットメッセージも全て英語で書いた方が良いと私は考えますが、他人へ強要するほどの根拠があるわけでもありません。余談ですが、(チケット見ないと内容を把握できないからと) チケット ID だけ書いてコミットする人もいます。あれは個人的にそのコミットの意図は何なんだ?とちょっと納得できなくて、もっと声を荒げるべきなのかもしれません。

別の例では、ある日、メンターの1人が休暇でインターンシップ生の1人から質問を受けました。彼は Trac に登録されたチケットのバグ修正を行っていたのですが、そのチケットが日本語で記述されていたため、内容を教えてほしいということでした。私が彼だったら読めないからとそんなチケットは無視するところですが、彼は自らもインターネットの自動翻訳サービスを活用して英訳しつつ、その内容を理解しようと努めていました。そういうところは若い人の真摯さ、おっさんになると偏屈になってしまうことを実感するときでもあったりします。

郷に入れば郷に従えという考え方がインドにあるかどうか知りませんが、ここは日本なのだから日本語を使うことそのものに問題はないけれど、せっかくのコミュニケーションの機会を失うことにも繋がるという点で残念だなと思ったりもしました。彼らのためにチケットの内容を全て英訳しようとか、コメントを必ず英語で書きましょうとか、費用対効果を考慮するとそんな業務指示は絶対に出ないのですが、外国人とのコミュニケーションに挑戦しようとか、楽しんでみようといった視点からやってみると敷居が下がって良いんじゃないかと思います。

学生時代のなにか

最近「後生畏るべし」ということばを知ったのですが、彼らをみていると正にそんな印象を受けます。確か2人とも日本に来るのは初めての経験で、インドから海外へ出るのも初めてだと聞いた気がします。学生からよく聞く質問で「学生時代に何をしたら良いですか?」といったものがあります。で、無難 (?) な答えに旅行に行きなさいといったものが一番多いように思います。私が学生の頃にも、何人かの社会人の方に学生のときに旅行に行った方が良いと勧められた記憶があります。

私はいまになって気付いたことですが、ここで言う旅行というのはなるべく海外へ行った方が良いということだったんだと思います。自分が学生の頃は海外へ行ったことがなくて、20台の後半になってお仕事で北京へ3ヶ月間行きました。海外へ出たのもそのときが初めてでした。そこで1ヶ月経ったらホームシックになって早く日本に帰りたいと思いながら、3ヶ月間、辛い日々を過ごしました。自分自身、英語がほとんど話せないし、当時の中国では一般の人には簡単な英単語もほとんど通じません。何というか時間が経つほど、すごい孤独感を実感するようになりました。そういったものはお仕事のモチベーションにも大きく影響を与えるので他国で働くというのはすごく大変なことなんだと、そのときになって私は初めて気付きました。

そういうことを経験してから彼らをみると、彼らの優秀さ、大変さ、そして後生畏るべしだなと思うわけです。学生時代に何をしたら良いかの質問にあえて答えるとしたら、何か目的がなくても良いからただ海外へ行って、そこで数ヶ月過ごしてみるのも良いかもしれません。観光しても良いと思うし、留学しても良いと思うし、ただ一定期間、外国にいることで得られるものがあるように思います。

まとめ

話が発散したのでまとめられなくなりました。インターンシップ生の彼らをみていて受ける刺激がどういうものかの一端を紹介してみました。おかげで久しぶりにこのブログにも投稿できました。


関連文書:

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