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WEB+DB PRESS Vol.63

以前から「WEB+DB PRESS」の献本をしてもらっています。

ただで渡しているんだからブログやTwitterに何か書けという暗黙の掟があるようですが、過去、ほとんど書いていませんでした。読んでいないわけではありません。単に読むタイミングが合わなかっただけです。つい先月まで5冊ほど、未読の「WEB+DB PRESS」が積んでありました。「WEB+DB PRESS」は2ヶ月に1冊の刊行なので、要は、1年分ぐらい未読がありました。しかし、先月から今月にかけて読み進めて、遂にVol.63も読みました。Vol.63は先月出たばかりなので、まだ雑誌としてのレビューに価値があります。

余談ながら、紙の書籍が電子書籍より優れているのは、こうして読まずに積んでおくと邪魔になって読まざるを得なくなる点です。紙の書籍には読ませるためのアフォーダンスが備わっています。

ただでもらっているのであまり悪口は書けませんが、「WEB+DB PRESS Vol.63」の特集は微妙でした。

と、いきなり悪口を書いてしまいましたが、フォローすると、「WEB+DB PRESS」は現存する技術系雑誌の中で1,2を争う、読む価値のある雑誌だと思います。もちろん、毎回出色の出来とはいきませんが、だいたいは高い質を保っています。「Software Design」より面白い…とは問題発言すぎて書けませんが、何か1冊技術系雑誌を買うなら「WEB+DB PRESS」を勧めたいところです。

話をVol.63に戻します。特集が微妙なので、いくつか新連載記事を取り上げます。

かとうさんによる「再考するJava」は意外に面白かったです。意外に、というのはJavaの割には、という意味です。別にJavaをバカにしているのではなく、今、Javaについて書こうとするとそれなりにマニアックなところを狙わないと記事にしづらいので、大変だろうと思ってのことです。次回か次々回あたりはJava7ネタかもしれません。

大和田さんと白土さんの「Rubyわくわくナビ」はRuby1.9の標準ライブラリの紹介記事でした。Javaの記事を書くのも(差別化の点で)大変ですが、実はRubyもJavaと同じぐらいありふれてしまった上に、今や書籍もたくさんあるので、同じ程度に大変なようです。実際、前号までのRuby連載記事は後半ネタ切れ感が漂っていました。「再考するJava」は、こんな風にマニアックな部分を突いていくんだなという方向性が見えたのに対し、「Rubyわくわくナビ」のほうは今月号を読んだだけではまだ方向性が見えません。

太田さんの「JavaScriptベストプラクティスラボ」は安定感を感じる記事でした。今回の記事はかなり古典ネタです。しかし、いつでも新規なネタにも振れそうで、引き出しがいくらでもありそうです。

これは古典ネタかもしれませんが、次のようなコードを書いてJavaScriptのエラーをサーバ側のログに残すテクニックが興味深いと思いました。明日、社内の誰かに教えてみます。

新連載の最後は、小野さんの「いまどきの.NET開発」です。客観的に見ると、サーバサイドはLAMPより.NETのほうが開発生産性が高そうです。クライアントサイドもHTML5よりSilverlightのほうが進んでいる気がします。しかし、皮肉なことに開発生産性の高さがすべてではありません。.NETのように綺麗に舗装された道路よりも、HTML5の未舗装な道路のほうが魅力的に見えます。そんなものです。


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