採用のためのインタビュー記事が@ITに載りました。
兼務しているワークスアプリケーションズのゲストフェローの立場でインタビューを受けましたが、アリエルとしても通用する内容のつもりです。
タイトルの「エンタープライズ領域こそ面白い」は少し過剰な表現で、真意は「エンタープライズ領域も面白い」です。
記事のために敢えて極端に振った表現をしました。エンタープライズという用語が、つまらないものだと思われすぎている気がするからです。実際のところ、サービスが企業向けだろうと一般ユーザ向けだろうと、基盤となる部分できちんと技術的なことができる職場であれば、どちらも同じぐらいに面白く、どちらも同じぐらい良い経験が積めると思います。作った技術の上で提供されるサービスが誰を向いているかは、単純に人それぞれの嗜好や価値観であって、その時々の直感で選べばよいかと思います。
むしろ技術者の経験として大きな違いを生むのは、コードを書き捨てる職場か、コードを資産として残す職場かの違いだと思います。
コードを書き捨てる環境では、抽象層を積み上げるという感覚がなかなか育ちません。この感覚がないと、コードをたくさん書いても、単に誰かの作った抽象層の上で何かした経験、もっと具体的に言うとAPIを覚えて組み合わせで何かする経験が増えるだけしかできません。技術者の初期のキャリアでは意味がありますが、これだけしか経験していないと辛いと思います。もっとも、こういう職場であっても、新しい言語や新しいフレームワークを試す土壌があるなら、筋の良い人は、多くの利用経験から類似性を見つけて抽象化できます。自分なりにオープンソースなどで同じ経験を積んでもいいでしょう。
最悪パターンは、コードを書き捨てる環境で、かつ言語もフレームワークも固定化された環境です。頭の良い人はバッドノウハウの権威になって職場で重宝されます。使っている技術がメインストリームである間は、転職にも苦労しません。しかし、ある技術がメインストリームである期間は誰にも読めません。技術者にとってリスクが高いキャリアの積み方です。
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