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インターフェースデザインに物申す

D.A.ノーマン「誰のためのデザイン」を読んでみました。
ユーザーインターフェースを考える上で避けては通れないかもしれない(?)、という噂もあったので。
可視化とか、メンタルモデルとデザインの対応づけとか、ユーザへのフィードバックとか、そんなことが重要だ、ということが述べられていていました。 正直、その理屈に目から鱗が落ちるほどの感銘は感じられませんでしたが、言っていることは正しいように思います。
何しろ、書かれていることの事例として、すぐにすごく身近なことが思い起こされた位ですから。

というのも私は、オフィスの入口のガラス張りのドアを、ごくたまーに、手前に引いて開けようとして、ガッと嫌な手応えを感じてしまうことがあるのです。そのドアは、外から中へ入る際には押し、中から外へ出る際には引かなければならないのですが、逆に中から外へ出る時に押してしまった記憶はありません。
「誰のためのデザイン」を読んだ今となっては、それもそのはずだと得心できます。そのドアは、構造的な見た目も、縦型のパイプのような取っ手の形状も、内と外で全く同じなのです。で、縦型の握り易そうな取っ手というものは、人に「引いてください」ということをアフォードするらしいのですから。
まったく、外側の取っ手の形状をきちんと考えるべきでしたね、EG ビルのデザイナー氏は。
実に嘆かわしいことです。ノーマンの本を読んで貰いたいものです。

それから、このビルの警備システムも、インターフェースデザインがなってません。
警備のオン・オフを、小さな磁気カードを制御装置のリーダーみたいなところに通すことで行うのですが、オン・オフのどちらの操作となったのかのフィードバックがないのです。
それと、ビルのエントランスで階数を指定して警備を解除する操作が必要なことがあるのですが、その操作は、ノーマンに教えたら喜んで事例として本に掲載してくれたであろうという駄目さ加減です。
まず、例の磁気カードを制御装置のリーダーに通します。
それから、制御装置のテンキーで、「*」を押し、それから対象階数を入力し、最後に「#」を押します。
問題は、このテンキーには、一切、入力のフィードバックがないのです。キーレスポンスの音がなる訳でもなく、入力された内容を表示するディスプレイのようなものも一切ありません。しかも、そのテンキーはカード型の電卓のような方式のやつで、そもそも、キーを押した感触が極めて曖昧なのです。
という訳で、果たしてきちんと押せたのか、ちっともわかりません。さらに一連の操作がきちんと完了したとしても、そのこともフィードバックがないのですから、自分の自信だけが頼りという実に頼りない状況となってしまいます。
まったく、この警備システムのデザイナーは、利用者のことをまったく考えちゃいなかったんでしょう。
実に嘆かわしいことです。やっぱり、ノーマンの本を読んで貰いたいものです。

と、文句を言う立場だと色々と思いつくのに、言われる立場、というか、言われないように配慮しなければならない立場だと、途端に想像力が貧困になっちゃうのは、一体、どうしたことなんでしょうね?
いや、嘆かわしいことです、困ったことです。でも、ノーマンの本を読んだからって、そうそう簡単に改善できるってもんじゃあ...

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