2006/06/26
W杯 日本代表の予選リーグ敗退に寄せて
サッカー好きなので、ホントは、日本代表の選手選考や戦術などについて、言いたいことはいっぱいあるのですが、まあ、ここはそういう場ではないので...
W杯が始まる前の世論は、かなり楽天的なものだったと思います。
それこそが、日本の問題点だと思うのです。しかもそれは、今回のサッカーに限ったことではなく、例えばトリノ五輪の前の世論などにも存在していた問題点だと思えます。
そして、それはソフトウェア開発プロジェクトでもありがちな問題だと、強引に関連付けてみましょう。
その問題点とは、自分たちの都合のいい情報だけを採用し、都合の悪い情報からは目を背けてしまう傾向のことです。その結果、解決すべき問題・課題の発見の機会を逸し、対応策を講じることのないままに、最終局面で破綻が一挙に訪れることとなってしまうのです。
私がこれまでに参画したソフトウェア開発プロジェクトでも、残念ながら、こういう傾向を繰り返してしまいました。
工数の見積りや技術的な難易度についての見込みは楽天的なことが多く、進捗中のスケジュールの遅れは回復可能な、少なくともそれ以上に拡大はしないものとして報告されることが多く、何とかなるだろうという曖昧で希望的な見込みの陰でどんどん問題が深刻化していく、そういう苦い経験を思い出します。
投資行動におけるこういう情報に対するバイアス効果を、何とかと呼んだような気がするので、そもそも人間の心理としてそういう傾向があるのかもしれません。
「見える化」とは、こんな問題への処方箋のことなのでしょうか?
でも、客観的には見えるようにされて見えるはずのものなのに、見たくないものは見ない、というか主観的には見えない、という人間の不思議な心の働きは解決できないような気もするのですが...
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