不在でも存在感を示すfacebook
昨日のCloudforceでマーク・ベニオフがfacebookの使いやすさをビジネスソフトの世界に持ち込むと意気込みました。
facebookへの言及はChatter発表以後、何度も口にしています。今回、更に勢いが強まった印象です。マーク・ベニオフ曰く、salesforce.comの初期はamazon.comの使いやすさをビジネスソフトに持ち込む目標で始めたと言います(これは著書でも書いています)。時代は変わり、amazon.comの使い勝手はもう古く、今はfacebookだと言います。
マーク・ベニオフだけであれば、Chatterがfacebook及びtwitterのパクリだと言う批判に対する先制攻撃と流してもいいのですが、ラリー・エリソンもfacebookに言及するとなると少し雲行きが変わります。
サンフランシスコのOracle OpenWorld2010でラリー・エリソンがスピーチに時間を多く割いたのは、Exalogic(http://dev.ariel-networks.com/Members/inoue/javaone2010-ellison/view)とFusionでした。
Fusion周辺と言うかERP周辺の動向に過去、個人的にあまり関心を払っていませんでした。Webを探すと次のような、5年前にFusion開発をぶち上げた時のニュース記事が見つかります。
- http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20083002,00.htm
- http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20087144,00.htm
ラリー・エリソンがスピーチの中で「(Fusionのリリースまで)長かった、開発に5年もかかった」と語っていました。ソフトウェア開発手法の観点で良いか悪いかは別として、5年間リリースの無い開発期間は確かに長いです。おそらく現場では逃げた人も大勢いる気もします。それでも力づくでモノにしてしまうのは、ある種のエンジニアリングの手法が確立しているのでしょう。もっとも、そもそもOracle E-Business Suite(EBS)、PeopleSoft、Siebel、JD Edwardsと4つも同種のERP製品を社内に抱え込んでいるのがおかしいじゃないか、という見方もありますが。
Fusionを紹介する中で、facebookのようなソーシャル機能、facebookのようなUI、という言葉がラリー・エリソンの口からでました。そんなにfacebookが気になるのか、というのが率直な感想です。
もうひとつOracle OpenWorld2010でfacebookの影響を感じたのがマイケル・デルのスピーチの時でした。スピーチの中でゲストとして壇上に上がったのが、ZyngaのCEOでした。マイケル・デルと言えば、この業界で知らない人はいない有名人です。一方のZyngaはfacebook上のゲームを作っている会社です。普通に考えれば、格がまったく違います。しかし、Zyngaの若いCEOと並んで立つと、(マイケル・デルも経営者としては充分に若いですが)世代交代すら感じました。
高塚さんが言うように UIの直感は慣れの要素が大きい のだとすれば、Webの使いやすいUIはfacebookのようなUIに向かうのかもしれません。
時々facebookにログインして画面をチェックしています。一時、画面がごてごてした時期がありましたが、最近はすっきりと言うか、単にスカスカな画面デザインになっています。これは単に自分に友達が少ないからスカスカな画面なだけでしょうか。
そんなわけでfacebookは実態がよくわからないまま存在感だけが日に日に大きくなっている印象です。
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