「ライフサイクルイノベーション」を読みました
「ライフサイクルイノベーション」を読みました。
途中、あまりのつまらなさに読むのを止めようかと思いましたが、色々と本が溜まっているので、一気に読みきりました。 3部構成ですが、面白かったのは第3部だけでした。特に最悪なのは第2部で、なんとかイノベーション、かんとかイノベーションと、イノベーションに名前をつけて喜んでいるだけとしか思えません。何ひとつ記憶に残っていません。
第3部は、コア vs. コンテキスト、ミッションクリティカル vs. 非ミッションクリティカル、の2軸で業務を4分割して、リソース(人や金。特に人)をコンテキストからコアに移せ、と主張します。コアとコンテキストを簡単に言えば、コアが競合優位性のある分野、コンテキストは競合優位性が無い分野です。ミッションクリティカルは単純に、利益が大きい分野です。コンテキストに関わる人を減らす最終手段として、アウトソーシングを推奨しています。
ビジネスの領域に関して半端な議論をここに書いても仕方ないので、ソフトウェア開発にひきつけて書きます。
今年の1月に「ソフトウェア開発のスケーラビリティ」の記事を書きました。
要点は、ソフトウェア開発がある水準に達すると、次の2種類の作業が残る、という主張です。
- 簡単で重要では無い機能
- 難しくて重要な機能
「ライフサイクルイノベーション」の用語を使えば、前者がコンテキストで、後者がコアです。本書を単純に信じれば、前者をアウトソーシングすべき、という話になります。残念ながら、話はそう単純ではありません。 「簡単で重要では無い機能」には、もう一段上の作業が隠れています。「その機能が本当にやる価値があるかを考える」作業です。そして、この作業は「充分に難しい」のです。往々にして、実現が簡単に見える機能は、本質を見誤っていることがあります。本質をきちんと考えれば、実は簡単では無かった、ということはよくあります。そして、この「本質を良く考える」作業も、充分に難しい作業です。
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