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階層化アドレス帳とグループスケジュールの文化
次期ExchangeのExchange Server 2010で、階層化アドレス帳とグループスケジュールが実現するようです(もっとも、このふたつの機能を除くと他にやることがなくなった感も受けますが)。
昔、そんなニュース聞いた気がする、という人はグループウェアの業界通です。2007年11月に以下の記事がありました。
2007年末から今までExchangeの開発者との間に何があったかは内部の人しか知りえませんが、おおよそ予測がつきます。なぜなら、階層化アドレス帳とグループスケジュールの問題はLotus Notesもたどった道だからです。
日本でNotesに関わった人の多くが、Notesに階層化アドレス帳とグループスケジュール機能をつけるために奮闘しました。ぼくも末席ながら少し関わりました。
アメリカ人がグループスケジュールを受け入れない理由はなんとなく分からないでもありません。ExchangeやOutlookの作りを見てわかるように、彼らにとって個人の予定はメールと同程度にプライベートな領域だからです。他人のスケジュールを覗き見るグループスケジュールは実に下品なアプリケーションなのでしょう。
本家Exchange開発チームを説得した日本マイクロソフトは頑張りました。
グループスケジュールに比べると、階層化アドレス帳は、心理的抵抗よりは、彼らが特に必要を感じなかったから、というのが理由でしょう。後から作るのは面倒なのでなかなか実装されません。Exchangeの階層化アドレス帳も後付けなので、出来はそこそこではないかと予想します(熱意のある日本人が本家に乗り込んで実装でもしていない限り)。開発者が必要性をよく分からないまま、日本に言われたから仕方なく作っていれば出来が悪くても仕方ありません。
ちなみにこの「文化的ギャップ」はGoogle製品にもあります。
日本Googleは頑張るのか諦めるのか、さてどちらでしょうか。
ところで、階層化アドレス帳、つまり会社で考えると組織階層の中から人を探さないなら、どうやって社内の人を探すのだと疑問に感じるのが日本の会社文化に毒された一般的な日本人の反応です。基本はまず個人のアドレス帳(非常にプライベートなもの)から人を探します。公開アドレス帳(社員名簿など)から人を探す場合、検索や辞書索引(電話帳のハローページスタイル。要はaからzの索引)で探します。検索の時、うろ覚えの名前から人を探すためにsoundexアルゴリズムが重要になったりします。soundexなんて、普通の日本人にはまったく馴染みがありませんが、このユースケースでは重要になります。
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