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「グーグル八分とは何か」を読みました

随分と前にIPAXで吉本さんのブースに立ち寄った時、本人からもらった本ですが、ずっと放置していました。 ようやく読みました。

なかなか面白く書けていますし、論旨は明解です。吉本さんは本職の書き手ではないはずですが、とても良く書けています。

しかし、IPAXで本人にも直接言いましたが、基本的なスタンスとしてぼくは、グーグル八分はグーグルの勝手だ、という立場です。この本の「グーグル八分はけしからん」という姿勢には反対の立場です。

本書は周到にも、このような反論をあらかじめ想定して、想定問答集をつけています。想定問答集の中では、次のふたつの反論が、まさに自分の意見です。

Q.グーグルは民間企業なのですから、自社の利益のためにグーグル八分を行うのも正当な業務の内ではないでしょうか?

Q.グーグルの検索結果に人気がなくなれば、別の検索エンジンが人気となる。それが自由競争なのだから、問題ない。

前者の想定質問に、本書は、グーグルはただの民間企業ではなく、巨大な民間企業なのだから、社会的責任が伴うべきだ、という見解を述べます。後者の想定質問には、実際に存在しない仮定の話をしても仕方がない、と答えます。

この回答を見ても納得はできません。

たぶん、インターネットにおける自由のありかたに対する基本的スタンスに違いがあります。一方に、グーグルが自社の都合で検索結果から何かを削除することは、検索する人、検索されるサイトの自由を侵害すると考える立場があります。一方に、グーグルが自社の検索結果をいじる自由に制限を加えることが、インターネットの自由を侵害すると考える立場があります。ぼくは後者のスタンスです。巨大だから特別、とは思っていません。インターネットの自由は、個人にも企業にも等しくあるべきだと考えているからです。

別の検索エンジンがグーグルを置き換える可能性は仮定にすぎない、という意見は極論に感じます。実際のところ、検索エンジンを提供するサイトとしてのグーグルの立場はかなり脆いものだと思っています。Windowsも惰性で使われている部分が大きいと思いますが、グーグルも似たようなものです。マイクロソフト製品にはファイルフォーマットによる囲い込みがありますが、グーグルにはそれもありません。せいぜいイメージ戦略によるブランドだけです。

グーグルへの期待度にも違いがあるかもしれません。ぼくは、グーグルの検索結果が公平中立だなどと思ったことは、過去も現在も一度もありません。今後どんな検索エンジンが出てこようと、そんな期待は始めから持ちません。掲示板やブログに書かれたことが、真実かどうかの保証がないのと同程度に考えています。書くのも自由、書かないのも自由、嘘を書くのも自由、これがインターネットの自由だと考えています。ただし、法律は守るべきです。名誉棄損やプライバシーの侵害は法律で裁かれるべきです。法律を守る理由は法治国家だからです。法の庇護のもとで生きている以上は法を尊重すべきだからです。守れない法律は、破るのではなく変えるべきです。

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