2009/11/09
ソフトウェアの成熟とロードマップ
apacheのMLにバージョン3.0に向けた「ビジョン」がない、どうしよう、という投稿がありました。
その後、スレッドは続いていますが、まずはバージョン2.4(次のメジャーバージョン)に専念しよう、という意見が大半です。一部、バージョン3.0に向けた夢を語る人もいますが、それほど明確なビジョンは現れていません。
(非同期I/Oで)高速化しようという意見はちらほらあります(前からあります)。cherokeeはlighttpdとnginxとのベンチマーク比較を載せていますが、apacheは比較すらされていません。
もっと速く、というのは何もビジョンがなくなった時のロードマップとしては妥当です。
アプリケーションサーバ的な方向として、fcgi、ajp、wsgiあたりを統一的に扱うべきだという意見もあります。妥当な落とし所な気もしますが、平凡と言えば平凡です。
Webサーバに今、新しい夢があるのかと言われると難しいところです。HTMLは久しぶりにHTML5が出て動きがありますが、HTTPにHTTP2の動きはありません。
実はWaKaというHTTP Nextを狙った提案が以前ありました。たぶん誰も必要としていないので動きがありません。
apacheのMLを見て思い出すのがリーナスの態度です。Linuxにロードマップはない、というのがリーナスの一貫した態度です。Linuxの場合、新しいハードウェアが出ることで開発がドライブされている印象があります。普通のソフトウェアの場合、成熟してしまうと、より速くとより使いやすく以外にロードマップがなくなります。
商用ソフトウェアの場合、ロードマップはありません、という回答は許されないので、必然的にソフトウェアはただひたすら肥大化していきます。
- Category(s)
- カテゴリなし
- The URL to Trackback this entry is:
- http://dev.ariel-networks.com/Members/inoue/software-roadmap/tbping