2008/03/19
WEB+DB Press Vol.43の記事への指摘
下記の件、裏を取ってから書こうかと思ったのですが、まだ裏を取っていません。
WEB+DB Press Vol.43に「コンピュータが扱う数字」という記事を書きました。
読者の柳澤さんからありがたい指摘をいただきました。 まずはお誉めの言葉(社交辞令とも言う)から。
さて、WEB+DB Press Vol.43 の「コンピュータが扱う数字」という記事を興味深く拝読いたしました。 私自身啓蒙される所がありましたし、新人の教育用などにもこの記事を有効利用させていただきたいと存じます。
指摘はここから。
「1の補数」が123ページにて「1's complement」と表記されている点です。 ビット反転を表す「1の補数」は、「2の補数」と違って「1たち(複数形)の補数」という意味ですので、 その英語表記は正しくは「1s'/ones' complement」となります。
更に
なお、「1の補数」を「ones' complement」と表記すべきだということの根拠としては、たしか私の記憶に間違いがなければ、 D. Knuth の The Art of Computer Programming のarithmetic calculations の章に記数法を扱った部分があったと思うのですが、 その中のどこかに関連する記述があったように思います。
柳澤さんからは、誤植だったらすいません、と心遣いをしてもらいましたが、単純に無知ゆえに知りませんでした。持っている(大学で使った)教科書にも one's complement と書いてあるし。言い訳ですが。
なお、柳澤さんが勤めている会社名の公開は自由と承諾を得ましたが、社長が牧野さん、でとどめておきます。
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Re:WEB+DB Press Vol.43の記事への指摘
私のつまらない指摘をわざわざお取り上げいただき恐縮です。
>下記の件、裏を取ってから書こうかと思ったのですが、まだ裏を取っていません。
個人的に気になったので、書店で立ち読みして確認したところ、
D. Knuth, The Art of Computer Programming の邦訳 Volume 2 の 191 ページに記述がありました。
いわく、「2の補数」は2の冪乗である単一の数と相補的であるのに対して、
「1の補数」は個々のビットがそれぞれ1と相補的なのであるから、
アポストロフィの位置は ones' complement とするのが正しいのである、と。