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グリーンOS(Onix)、スーパークリエイター当確?

土曜日にIPA未踏の成果発表会に行ってきました。

午後から参加したので、最初があのOnixでした。

グリーンOSに半信半疑でしたが、素晴らしいプレゼンでした。既存研究(通常のメモリでディスクへの読み書きをキャッシュしてHDDを休ませてグリーン化)の話から始めて、メモリ容量とディスク容量の桁の違いからうまく機能しないのではないかという疑念につなげて、SSDがHDDを休ませるための永続キャッシュとして最適ではないか、という導入部の流れは感動的なほどスムーズでした。

導入部がうまく行けば後はプレゼンが流れるように進み、見事に時間が余りました(本人が持ち時間を間違えていたようですが)。

質問もだいたい想定内ばかりでした。アリエル社内で厳しいツッコミに耐えてきた大山さんとすればかなり余裕だったのではないでしょうか。

次の発表は街角ネット世界コミルバでした。Web上にアバターを出して街角感を出す(いい意味でも悪い意味でも)未踏っぽい発表でした。

率直に言うと個人的には問題意識を共有できていません。自分にとってWebはやはり文書DBの延長で、あえて現実世界にたとえれば図書館です。Webに街角感が必要と言われても、まったく共感できません。しかし、文化や世代が変わればWebに出会いを求める人もいるのでコミルバのようなアプローチを否定する気はありません。

次がApacheのモジュールでロードバランサーを作り背後のサーバを休ませてグリーン化するネタでした。ツッコミどころ満載でした。少し質問したら実装レベルの話で逃げようとしました。たぶんApache内部の難しそうな話をしたら諦めると思ったのでしょう。こちらはAPRを7年以上使っていますし、昔、IPAから金をもらってApacheの内部実装を調べていたぐらいなので(https://www.codeblog.org/blog/inoue/)、そんなところ逃げたって無駄だよと言う感じです。しかし公開処刑が趣味ではないので適当に切り上げました。

ここまで聞いてOnixのレベルが他を圧倒しています。これはもしかして大山さん、スーパークリエイター当確か、今度からスパクリ大山と呼ばないとダメかなと思っていたら、最後に度肝を抜く発表が待っていました。

最後の発表は、iPhoneを使い音声メモを空間に張り付けるネタです。裏側を読解してしまえば、位置情報と(ヘッドセットから取得できる)向き情報をキーにして音声を記録するだけですが、このような読解は些細な話です。何よりも空間に音声メモを張り付けるという発想と、それを実現してしまったことが凄い点です。

フィクションで、場が映像や音を記憶するというモチーフが使われることがあります。特殊能力を持った人に、場が記憶する過去の映像が見えたり音が聞こえたりする話です。この力で事件の謎を解いたり事件に巻き込まれたりします。今回の発表の音声メモのネタを使うと、空間が声を記憶するモチーフが特殊能力無しに実現できます。殺人事件現場に立つ探偵が空を見上げて、過去発せられた声に耳をすましてダイイングメッセージを探しだす、なんてシーンが思い浮かびます。

発想力、実現する技術力、プレゼンでの訴求力、これら総合力でIPA未踏史上、屈指の発表だった気がします。残念ながらOnixがかすみました(でも相対的に見てスーパークリエイターの可能性は70%ぐらいある気がします)。

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