Personal tools
You are here: Home ブログ 井上 IBM天城セミナー参加報告
« December 2010 »
Su Mo Tu We Th Fr Sa
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
Recent entries
Apache2.4のリリース予定は来年(2011年)初め(あくまで予定) inoue 2010-12-23
Herokuの発音 inoue 2010-12-20
雑誌記事「ソフトウェア・テストPRESS Vol.9」の原稿公開 inoue 2010-12-18
IPA未踏のニュース inoue 2010-12-15
労基法とチキンゲーム inoue 2010-12-06
フロントエンドエンジニア inoue 2010-12-03
ASCII.technologies誌にMapReduceの記事を書きました inoue 2010-11-25
技術評論社パーフェクトシリーズ絶賛発売中 inoue 2010-11-24
雑誌連載「Emacsのトラノマキ」の原稿(part8)公開 inoue 2010-11-22
RESTの当惑 inoue 2010-11-22
「プログラマのためのUXチートシート」を作りました inoue 2010-11-19
「ビューティフルコード」を読みました inoue 2010-11-16
Categories
カテゴリなし
 
Document Actions

IBM天城セミナー参加報告

今週の月曜火曜、IBM天城セミナー(IBM洗脳セミナー)に参加しました。

家を出た時は晴れていましたが、なんと雨で電車が止まり、熱海で約2時間待ちました。天候に関してはもうひとつ。この日の夜、雷による停電まで経験しました(停電したのが遅い時刻で、かつ非常灯があったので不便はしませんでした)。翌日、雨はやみましたが、結局、富士山を目にすることはできませんでした。アリエルで合宿と言えば富士山なので、残念なことでした。

冒頭、IBM天城セミナーがいかに伝統的か、という話から始まりました。第一回の記念写真に井深大(ソニー)と宮澤喜一(当時通産省)がいるのには素直に驚きました。後で、過去に参加したことのある人に聞くと、毎回、このセミナーはあの話から始まる、ということでした。素直に驚いてしまったぼくはナイーブすぎたかもしれません。

参加者は31名で、2名がメディアの人でした。一番若い人は23才、中心は30代後半から40代だと思います(年を聞いたのは20代のふたりだけなので、見た目での判断です)。全員男性です。IBMは性差別をする会社なのでしょうか。

若く見えた人の中にはアリエルを知っている人がそれなりにいました(マルスケもしくは徳力さん経由)。一方、年配に見える人には、アリエルの知名度は限りなくゼロです。そんなものでしょう。もっとも、ぼく自身が、相手の会社を知らなさすぎることを痛感しました。行きのタクシーがシステムインテグレータ社(http://www.sint.co.jp/)の梅田さんと一緒だったのですが、会社のことを知らなかったのは、失礼だったかもしれません。この業界では、結構有名なようです。インフォテリアと同程度の認知度なのかなと思って、Googleで検索件数を調べようと思いましたが、システムインテグレータではまともな検索結果になりません。社名が微妙すぎます。

せっかくなので、Googleで調べてみた会社の結果。

  • アリエルネットワーク: 47,000
  • ワークスアプリケーションズ: 124,000
  • インフォテリア: 495,000
  • リアルコム: 578,000

検索結果に別のモノが混じっている可能性は不明です。

参加29社、アリエルを引くと28社のうち、知っていると言える企業が9社でした。もう少し日本のIT系企業に興味関心を持とうと思いました。

IBMの話に戻ります。リアルコムの谷本さんの発表を除くと、IBMの人が講演形式で話すスタイルです。IBMの考える技術動向に関する話と、IBMとのパートナーシップに関する話の2種に分けられます。後者がIBMセミナーの真の目的で、前者は餌です。しかし、パートナーシップに関する話は途中で眠くなったので、技術動向に関する方を書きます。

最初はGlobal Technology Outlook(GTO)の話です。GTOはIBMが未来の技術動向を予測して定期的に発行しているペーパーのようです。ソフトウェア以外の話もあります。ナノテクの話は面白かったですが、ソフトウェアの話はしょぼかったです。IBMがWeb 2.0とか言っても、ふーんとしか言いようがありません。ハードウェアでは、もうクロック数は上げられませんが集積度はまだ上げられるので、マルチコア化でムーアの法則は維持可能、ともはや定説となった予測(?)を述べていました。この話自体の新鮮味はありませんが、これからは並行処理だな、という思いを強くしました。

並行処理は共有資源が増えるほどプログラミングの難易度が上がり、一般にパフォーマンスも劣化します。マルチスレッドにした場合、共有資源が少ないほど面倒も少なくなります。共有資源が無い、もしくは極端に少ないなら、プロセスを分けてしまうと、分離度が上がります。プロセス間に共有資源がある場合、共有メモリやファイルの共有など、プロセス間通信とそれに伴う排他制御で、却ってマルチスレッドより面倒になる局面もありますが、一般論では分離度を高くした方が面倒は少なくなります。分離度を更に上げると、OSを分けるという方向があります。IBMの本音はここです。いわく、UnixサーバもPCもCPUの稼働率が低すぎる、IBMのメインフレーム上でたくさんのOSを同一ハードウェア上で動かせば、CPU稼働率は上がります、という主張です。

これに似た主張は、ぼくがロータスにいたころから聞いています。当時、仮想化を前面に押し出していたかは記憶にありませんが、たくさんのUnixマシンやWindowsサーバマシンを少ない台数にまとめられる利点を語っていました。今回、これに新たなスパイスが加わりました。仮想化で複数OSを1台のハードウェアにまとめた方が、電気消費量が少なく地球環境に優しい、という主張です。名づけてProject Big Greenです。環境のために、日々オフィスの冷房温度を下げすぎないように気をつけているぼくの心に響きました。

P2Pのひとつの特徴としてPCの遊休資産の活用、という側面があります。CPU稼働率を上げることが可能かもしれませんが、地球環境に優しい気はあまりしません。

疲れてきたので、リンクだけ張って話を終わりにします。

IBM社内ではRedHatベースの社内向けディストリビューションを保守しているようです。Notes8、Sametime、OpenOffice、(IBM謹製)VPNクライアント、の4つがあれば仕事に困らないからだそうです。アリエルも負けずに、社内向けディストリビューションを保守すべきではないか、と思いました。

The URL to Trackback this entry is:
http://dev.ariel-networks.com/Members/inoue/ibm-amagi/tbping

Re:IBM天城セミナー参加報告

Posted by n.fujita at 2007-08-04 13:03
> アリエルも負けずに、社内向けディストリビューション
(aptでもrpmでもportsでもemergeでもなんでもいいけど)
apt-get install ariel-xxx-dev
とするとxxxの開発環境が全自動でセットアップされたり、
apt-get install ariel-xxx
とするとxxxの実行環境がセットアップされると嬉しいと思います。

(ただ、開発でLinux使ってる人が少ないのが問題ですね…)
Add comment

You can add a comment by filling out the form below. Plain text formatting.

(Required)
(Required)
(Required)
This helps us prevent automated spamming.
Captcha Image


Copyright(C) 2001 - 2006 Ariel Networks, Inc. All rights reserved.