岩田真一
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2004・10・07
CEATEC 2004 雑記
10/6 (thu) CEATECに行ってきました。
遠い。今回は幕張本郷からバスに乗ったので、ことさら遠く感じました。
お目当てはMS古川さんの基調講演。
これは個人的な充電です。
彼の講演を聴くと非常にポジティブになれて、インスピレーションを受けるのか、なぜだかアイディアが沸きます。そして、やるべきこと(進むべき道)がわかるんです(というか、間違っていなかったことの確認と言うべきか)。
きっと僕にはひねくれていない人の意見のほうがしっくり来るし、やる気も出るんだと思います。
内容的にはWM9の仕様を公開する(VC-1と言う名前で)など結構衝撃もありました。詳しくは
こういうところにお任せしますが、中でも印象的だったのは、Windows CE 5.0 で正式にTRON のT-engineブリッジが実装されるということです。プレゼンではその画面の様子を披露していました。下半分がTRONで上がWinCEという画面が映し出され、上の画面に表示されていた古川さんの顔がスライドして下半分に移動すると、坂村先生の顔になる、という面白いもので会場でもかなりうけていました。
個人的には今回も「古川さんの講演を聴きながら、色々考えるとビジネスのアイディアが沸いてくる」という効果が得られて、満足でした。(ほんと、なぜだろう)
続いて展示の方。
昨年のCEATECは出展社でもあったので、何となく仕事がらみの視点で見ていましたが、今年は・・・完全に個人の趣味に偏ってしまったので(すみません)、僕と趣味が違う人は読んでも面白くありません。(趣味=欲しいもの)
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2004・09・01
P2Pと「47」。そして僕の3周年。
去る8月29日、P2P-IP電話の
Skype が一周年を迎えました。
P2Pの特性であるスケーラビリティ、分散処理(検索)などが最大限に活かされたこのシステムでは、サービス提供者(Skype)側の設備コストがほとんどないので、世界中に950万人のユーザーを持つ現在でも社員数はわずか
47名です。
さて話は変わりますが、本日9月1日は例のP2Pファイル交換ソフト「Winny」作者の初公判が京都地裁で開かれます。P2Pに関わる者として、とても注目していますが、この件は著作権のあり方にまで議論が及んでおり、業界を超えて多方面で取り上げられています。
ところで、このWinny作者は 2ch では
47氏として識別されています。
いや。。。単に P2P 界隈
47 多いなあ、んー、
47 と言えば赤穂浪士もそうだなあ、などと連想したのでエントリしてみました。
ちなみに、僕がアリエルに参加したのは、ちょうど3年前の今日(9月1日)のことでした。
2004・08・19
ニュース記事のトラックバック (ニュースのブログ化)
livedoor NEWSを見ていたら、記事の下の方に読者の意見が載っていて一瞬戸惑いました。よく見ると記事自体がブログエントリ扱いになっているようで、理解しました。
これまでは、個人のブログからニュースへのリンクが張られることはあっても、ニュースサイトの記事内から読者の意見(ブログ)にリンクがあることはなかったので、興味深いです。ちょうど、ランチでWebのニュースが話題になり色々意見が出る、といったようなことが、ニュースのブログ化によってWeb上で行われている雰囲気です。もちろんオーディエンスの規模が違いますが。。
# トラックバックできる記事は一部のようです。新聞系記事提供者の記事ではトラックバックできないことが多い様子(朝日、産経など)。
# コメントは付けられません
2004・08・10
Skypeの説明文に共鳴
とある事情でSkypeを詳細に調べる必要がありまして、Webサイトを中心にドキュメントを精読中なのですが、Skypeの製品紹介ページのコメントに共鳴したのでメモっときます。
http://www.skype.com/skype.html
The technology is extremely advanced – but super simple to use...
ちなみに日本語訳のページも用意されています。
使用されているテクノロジーは非常に高度です – しかし、その利用はとてもシンプル...。
もっと言うと、シンプルで使いやすくてエンドユーザーにメリットがあれば、別にテクノロジーは高度でなくても良いんですが。こういう視点でいたいものです。
高度なテクノロジーは必要になったときに使う、と。
それで初めて意味がある、と。
2004・08・03
P2P化して嬉しいところ
# 大谷さんが欲しがっているものとも少し関係しているのでtrackback
SNSやWebMailを利用してみると、まだまだサーバー技術だけでできることはたくさん有りますし、可能性も感じます。するとP2P化して嬉しいのはどういうことなんだろうという当然の疑問がわきます。
P2Pによってエンドユーザーが享受するメリットの基本は「ローカルデータの共有」だとすると、ローカルに溜まらざるを得ない情報に目を向けると答えがありそうです。
たとえばブックマーク、たとえばデスクトップアイコンや壁紙、アドレス帳(Windowsアドレス帳)、それから cookie です。これらの情報は現状ローカルディスクに溜まります。すると家と会社、デスクトップとノートPCでそれぞれに設定しなければいけません(Profileのコピーである程度複製できますけど)。これらを共有・同期させることは現状できていないわけですから、こういった箇所にこそP2Pを適用すべきだと思います。
この例で言うと"Documents and Settingsの自分のフォルダ下全部"ってことですが、このようなプライバシーに近い情報をサーバーを介さず直接利害関係者のみ(この場合は自分だけ)で、やり取りが行われることはとても嬉しいはずです。
この例に限らず、「P2Pにしかできないこと」という発想をもって可能性を考えたいものです。他の技術にも言える一般的なことですが、つい技術指向になると忘れがちなことでもあります。
2004・07・05
SNSアカウントのID化
SNS (Social Networking Service) が浸透してきています。
使われ方も、「GREE にいます」と言った感じで、自分のプロフィール参照先に使っている例も多いです。このような使われ方は、齋藤孝さんの提唱するところの「偏愛マップ」のようでもあります。(偏愛マップ:
http://www.nttpub.co.jp/henaimap/)。本来ビジネス的なつながりしかない人でも、名刺を元にSNSでリンクすると思わぬ共通点があって、その人の発想のバックグラウンドもわかる、などと言った具合です。ノミュニケーションにも近いですね。
さて、そんな感じで結構使わせてもらっているSNS。最近は、その応用にも興味があり、色々と考えています。そのうちの一つ「SNSのアカウントはSNS外のIDとして使えるなぁ」について書いてみます。
SNSの特徴は実名で登録しないと意味がないということと、中にいる人の知り合いしか入ってこられない信頼モデルです。そこで、SNSのアカウントをIDとして使えないかと思っています。よくWebの掲示板システムなどで見かけるのは、アカウントを作成して、その際に入力したメールアドレスに届いたら、本人であることの認証としているケースです。確かに登録した人とアカウントの発行先が同じであるという保証にはなりますが、登録した人が信頼できるか、という問いには答えていません。
そこでSNSのアカウントを使います。
SNSアカウントを持っていれば、少なくとも誰かに信用されているユーザーだという証明になります。ほぼすべてのSNSには独自のメッセージングが機能がついているので、メールの変わりにSNSのアカウント宛のメッセージを送って認証することにより、Webのシステム上では匿名性を維持したままで、ユーザーの身元確認ができるわけです。
# 最近では、SNSアカウントを売るなんてこともあるようで、そうするとこの前提が崩れます(SNS上に匿名性ができてしまう)。SNSが広がるにつれ、問題になりそうです。
2004・05・24
図書館の貸出窓口(人か機械か、慣れか人間工学か)
最近、本を買い過ぎてお小遣いが減ってきたので、色々と対策を考えた末、図書館を利用してみることにしました。基本的に僕は、本を持っていたい(所有したい)タイプなので、図書館で借りて読んでみて本当によければ買おうという計画です。
そんなこんなで、図書館を利用したのですが、思わぬところで考えさせられることになりました。という話。
目黒区立中目黒図書館は会社の近くで、しかも遅くまで開いているので便利です。
初めてだったのでカードを作るのですが、その際、本の貸し出し方法について簡単なレクチャーを受けました。本を借りるには、窓口に持って行って係りの人に頼むか、または「貸出機」なるものを利用して、いわば無人で借りる方法の2種類があるとのことでした。つまり、中目黒図書館は図書の貸し出し用に二つのインターフェイスを用意していて、借りる人が選択可能というわけです。どちらも実装は同じです(本を借りられる)。(※)
で、僕は結局どちらを使ったかというと、生身の人間の方です。
なぜでしょう。
(理由1) その図書館は初めての利用で、係員に色々と質問をしながら貸し出し手続きをしたかったから
(理由2) 急いでいたので、貸出機の(おそらく)分かりづらいユーザーインターフェイスにハマりたくなかったから。
というところです。(理由2) はともかく、幼き頃だったら (理由1) の理由よりも好奇心というか「マシーン」に対する興味の方がはるかに大きいため、利便性や即時性よりも貸出機そのものに触りたいという衝動があったのではないか、と思ったのです。
だとすると好奇心が弱まってきたことになり、ちょっとショックでした。まあ (理由2) の理由があったから仕方ないと言い聞かせましたが。
もう一つはっとしたことは (理由2) において、「機械の方が時間がかかるだろう」と判断したことです。インターフェイスに関しては社内でも色々と議論をしてきました。結局は「直感に近いかどうか(人間工学)」と「慣れ」の2点に収束します。前者が利いてくるのは、初めてその装置を使った時が主だと僕は考えていて、その後「初めて」という壁を越えた後は、それほどすばらしいインターフェイスでなくても「慣れ」が効力を持つのだと考えています。
そして経験上、初めて使うときの違和感の無さ、いわゆる優れたインターフェイスというものにはほとんど遭遇しないので、(理由2)に至ったのでしょう。
「優れたインターフェイス」の設計は難しく、時間もかかります。定義によっては解が見つからないことすらあります。一方で「慣れ」は「初めて」を超えさえすえば、良いわけです。つまり、いかに「初めて」の壁を越えてもらうかを考えた方が効率がいい気がしました。
幼き頃はあらゆるものに対する単なる好奇心が「初めて」の壁を越えていたので十分でしたが、今、その他に考えられるのは、「かっこよさ」とか「かわいさ」や、逆説的には「使うことの難しさ」などではないでしょうか。掘り下げて考えてみたいところです。
次回は、ぜひ貸出機を使ってみて感想を書きます。
ちなみに、貸し出し窓口の人間インターフェイスはとても優れていました。ほとんど本を手渡すだけですから、これは超えられないでしょうね。
(※) 貸出機で借りられるのは一般の書籍だけで、CDやマンガは窓口を利用する必要があります。
2004・04・22
マンガ喫茶で調べ物
先日マンガ喫茶に初めて行きました。
別に行こうと思って行った訳ではなく、たまたまそういう成り行きになったのですが、思いのほか快適で便利でした。
実は
メガライナーでつくばに行った日のことです。午前中に別のお客様のところを訪問していたのですが、ディスカッションが早めに終わったため、微妙に時間が空いてしまいました。同行のM田さんは、Note PC を持ってきていたので、HotSpot があればメールの送受信ができるのですが、僕は何も端末を持ってきていなかったため、まずは HotSpot に行って、M田さんPCで僕が使える端末があるところを探すことにしました。M田さんありがとう。
個人的には、図書館になるかと踏んでいたら、マンガ喫茶が急浮上。僕もM田さんも行ったことが無かったので、少々不安もありましたが、八重洲駅に程近い雑居ビルに入って行きました。1時間580円くらいで、延長1時間後とに100円でした。アルコール以外なら持ち込みも可で、ソフトドリンクの自動販売機は無料で使えました。
僕らは奥のPCコーナーに向かいました。席はパーティションで区切られており、各パーティションにはカーテンが付いていました。なぜカーテンが付いているのかは、PC でブラウザを起動したらすぐにわかりました。ブックマークには、エッチ系とギャンブル系のみ(!)しかありませんでした。なるほど、そういうわけでカーテンなのですね。
僕は健全さをアピールするためというわではないですが、慣れないスーツで狭苦しかったので、カーテン全開で調べものを始めました(※)。実際、想像以上に仕事になって助かりました。ある程度プライバシーがあって、トイレも使えて、堂々と眠れて(僕は寝てませんが)、飲み物は無料。。喫茶店よりもずっと良いかもしれませんね。おすすめです。
これまた僕にとっては非日常体験でしたが、便利だったし居心地が良かったので、今後も利用するかもしれません。
(※)M田さんもカーテンは全開です。念のため。
2004・04・21
つくばセンター行き2階建てバス「メガライナー」
先日、仕事でつくばセンターに行って来ました。
つくばなんて、子供の頃に親戚の叔父さんにEXPOに連れて行ってもらったとき以来です。確か時速30km(おそっ)のリニアモーターカー(HSST)に乗れたりして嬉しかった記憶があります。
閑話休題。
ところで、つくばセンターってどうやって行くんだ?ってことで、社内の人に聞くと、どうやら高速バスで行くらしいことが判明。そこで、
Web で調べてみました。
つくばセンターへ行ける高速バスは八重洲発で、本数は結構あるみたいです。記述をよーく見ると「メガライナー」なるものが、時々走っているようです。メガライナーとは、なんと2階建てのバスのことでした!
乗り物は大好きなので、(実は、かなり)メガライナーに乗りたくなりました。
同行するM田さんにも話して、ちょっと早めの 13:00 発に乗りました。いいタイミングで並んだ甲斐あってか、なんと2階の一番前の席をゲット!(というか、M田さんが譲ってくれた・・)。つまり、
座席表で言うところの、左下の席です。空いていたので、独り占めしました。
いや〜。楽しかったです。当初はゆっくり寝て行こうなどと考えていたのですが、あまりの非日常光景に内心はしゃいでしまって、所要時間の1時間20分の間ほとんど眠れませんでした。
停まると歩行者用信号機が真横に見えたり、普通は見えない高速道路の高い壁の向こうや、浅草のウ○コオブジェがすぐそこだったり・・・。東京からつくばセンターへ行かれる方で、非日常をお求めなら、ぜひお試しください。
2004・03・26
技術はソリューションであるべき
管理コスト保存の法則 (P2Pアプリ設計のポイント)
で P2P は技術ソリューションだ、と書きましたが、またそんなような話です。
以前から、technology oriented はカスタマーにメリットをもたらすのかという疑問を持っていました。最近は、さらに強く疑問を持つようになりました。当たり前の話ですが、技術はユーザーが困っていることに対するソリューションでなければなりません。もっと言えば、ソリューションのための1手段でしかありません。技術先行でこれが何かの役に立つかもしれない、という発想はアカデミックな組織なら OK ですが、直接ユーザーに利便性を提供する企業の場合、あまりにも遠回りですし、上記の定義に従えば、本末転倒です。
僕が何か新しいアプリケーションを考えたり、既存のものを改良したりするとき、発想の起点になるのは、常に「ユーザーの不満」です。そのとき、技術的な制限や限界は(ちょっとは意識しますが)基本的にはなし(制限0ベース)で考え始めます。この発想がベストかわかりませんが、現時点では、technology oriented にならないための最良のスタンスだと思っています。そうすることによって、「このソリューションを実現するためには、どのような技術が必要だ」という、正しい順番になるからです。
製品は売れなければ意味がありません。
もちろん企業にとっては売るのが使命ですが、売れるということは、一方で、その製品はユーザーが抱えている何らかの困難を解決している証拠であり、ユーザーにメリットを提供していることになるからです。技術がユーザーにとって意味があるとしたら、その解決の一翼を担っていることだけだと考えています。
# もちろん技術だけを追いかけているうちにアイディアが生まれることもありますけど。
2004・03・17
管理コスト保存の法則 (P2Pアプリ設計のポイント)
P2P は、さまざまな概念や要求に対する技術ソリューションです。グリッドなどの分散処理は典型的な例です。
P2P が解決する別のものとしては「リッチクライアントの実現」があります。AirOne もこの部類です。「サーバーがやっていることをクライアントでやりましょう」ということです。要は、「PCは性能も上がってきたし、そろそろクライアントとしてだけではなく、サーバーの役目もやりましょう」ってことで、その場合の PC のことをサーバントと呼んだりすることもあります(アリエルでは単にノードと呼んでいます)。
P2P/リッチクライアントのメリットとしては皆さんご存知の通り、ローカルで色々できるとか、できる限りサーバーとの通信なしで処理や入力ができる(=通信が少なくて済む)といったことが挙げられます。FireWall 超えなんていう、すごいおまけもついてきます。
ところで、P2P/リッチクライアントになって、処理が集中するサーバーが無くなって良かった良かったと喜んでばかりでいいのでしょうか。P2P アプリはこのあたりを意識して作らないと、かえって「処理の無駄」が増えてしまうのです。
無くなったサーバーの処理は、PC に分け与えられたという事になるわけです。当然、ちゃんと設計された P2P アプリケーションは処理の割り振りがうまくできていますから、サーバーの負荷そのものがPCに来るわけではありませんが、注意が必要です。
同じことが管理コストにも言えます。「サーバーの管理者がいらなくなった、人件費が減って良かった良かった」ではその管理部分はどこに来るのでしょうか。当然、各PC (のユーザー)に割り振られてくるのです。彼らにはシステム管理者ほどの技術スキルは望めません(まあ技術スキルといっても、単に専門用語を知っているとか、興味があるかの違いがほとんどですが)。
つまり P2P アプリ設計のポイントは
・PC はサーバーのような役目をこなすが、サーバーほど負荷をかけてはいけない。
・PC のユーザーはサーバー管理に近いことを行う必要があるが、サーバーのように難しくてはいけない。(用語も含めた UI issue ですね)
ということです。なんだか難しそうです。僕らも日々の研究調査や経験から改善し続けています。そういった意味で、手前味噌で恐縮ですが、Ariel Framework はアリエルにおけるノウハウも詰め込まれているので、単なる API 群以上の価値はあると自負しています。
2004・02・24
チーム時間
チーム内のエンジニアから技術的な質問を受けた時、僕は常に二つの返答の間で躊躇します。
A. ヒントを与え、自分で調べてもらう
B. 僕が答えて(教えて)しまうか、詳しい人を紹介する
それぞれの視点は、
a. エンジニアの育成
b. プロジェクトの進行
となります(それぞれ小文字が対応しています)。
開発部という組織から見ると a/A を選択すべきですが、今走っているプロジェクトから見ると当然 b/B ということになります。
ところで、A から a が導かれるのは「自分で調べると身につく。スキル向上につながる」という仮定に基づいていて、それは以下の3つの理由から、経験上正しいと思っています。
まず第一に、質問の答えそのものは応用が利くことは少ないですが、「調べ方」はあらゆる場面で応用できること。二つ目は調べるプロセスを経ることにより、記憶が残りやすいということ。3つ目は副作用的な効果で、ある疑問を調べている間に別の知識が必要になり、それらの項目についても調べるため、周辺知識が身につくということです。特に Web が発達した現在ではその効果は高いと思っています(取捨が肝ですが)。
閑話休題。
さて、プロジェクトから見ると、メンバー個人の時間もチームの時間です。つまりあるメンバーがチーム以外のために時間を使うことはチームのためにアロケートされている時間を浪費していることになります。しかし、組織から見ればエンジニアの今後のスキルアップにつながるので有意なのです。結局この二つの視点のバランスを取っていくのがポイントになると思います。
では現状の僕はどうしているかというと、自分の忙しさに任せています。つまり忙しい時は b/B だし、比較的時間の取れる時は a/A です。いい加減なようですが、これで結構バランスが取れているんじゃないかと今のところ(勝手に)思っています。
# 本音は a & b で C「夜中に自分の時間で調べてください」
2004・02・06
ファイルをロックしているプロセスを知りたい on Windows
ファイル名変更や編集をしようとするとロックされていて、しかもどのプロセスがロックしているか不明の場合があります。その場合の対処方法です。
まずは tips から。犯人として可能性が高いのは、みなさん経験的に知っているように、
・ IE
・ MSVC
・ CMD(コマンドプロンプト)
です。これらを終了しても解決しないときは「常駐秀丸」を疑ってください。こいつを終了すると僕の場合大抵解決します。
さてここまでやってもまったくわからない場合は、Windows XP に備わっている openfiles というコマンドで調べることができます。実際、常駐秀丸を突き止めたのもこの openfiles のおかげでした。ただし、OS のパフォーマンスに影響するため、デフォルトではシステムグローバルフラグがoffになっています。
@IT オープンしているファイルを調査する
に詳しく載っていますが、
> openfiles /local on
として、システムを再起動すると次からは
> openfiles
を実行すると現在開かれているファイルと、開いているプロセスが一覧されます。
2004・01・26
メールのタイトルという情報〜技術以前の話
僕が運営しているメーリングリストで、「飲み会のお誘い」メールが流れました。内容は、日時と場所、それからお誘いメッセージです。
そして返答がありました。
Re: 飲み会のお誘い
ここまでは当たり前の展開ですが、中身を見てみると、飲み会とはまったく関係のない内容で、しかも特定のメンバー宛の、やや内輪な内容でした。この返答メールには2つ間違いがありますよね。まず内輪話をMLで行うのはルール違反だということはみなさん常識だと思いますので、ここで気になるのはメールのタイトルについてです。
メールに「返信」とすると、一般的なメールソフトはもとのメールのタイトルの前に「Re:」を付けてくれます。この機能は同じ文脈のメールがやりとりされる場合に、いちいちタイトルに悩む時間を省いてくれます。そしてメールの送受信者お互いがこのルールを経験上学んでいるので、「Re: ほげ」と見ただけで「ああ、『ほげ』への返信だな」とわかります。
さて、今回のケースです。上記の返信者は僕の友人だったので、別の話題ならタイトルも変更するように注意したところ、「そんなルールは習った記憶がない」という反応でした。。。正直がっかりしました。
IT は文字通り情報技術で、Information を使いやすくするための Technology です。メールのタイトルは立派な「情報」です。そのキーワードで検索したりします。頻繁に受信ボックスの一覧から目で検索することを思えば、本文よりもある意味大切かもしれません。でも、人が改ざんしたら意味無くなってしまいます。
話が大きくなりますが、インターネット犯罪だとか、Hotmail を使った殺人事件だとか、新しいもののせいにされがちですが、要は使い方(元となる情報)ですよね。つまり、その「情報」の部分を「技術」のせいにされちゃうと、ちょっと残念です。ITはつい最近のものかもしれませんが、「情報」は今に始まったことじゃないはずです。
メールのタイトルに内容と違うものをつけることは、別に「習う」ことではありません。たとえば、自分の日記のタイトルに関係ないものをつけたりするでしょうか。封筒に「履歴書在中」と書いて、現金を送るでしょうか。で、それを現金とは知らずに捨ててしまった人を責められるかなあ。何にも書いていない方がまだましだと思います。
そう考えると、情報ってやさしさだし、人間の知恵ですよね。
いかに相手に(またはこの情報がいずれ必要になる未来の自分に)対して、わかりやすくするか、です。情報技術は助けてくれるけど、要は人間の優しさや知恵が決めるんです。
情報をもっともっと使いやすく、さらには技術を使うことで思考過程自体の補助ができるように、ソフトウェアを開発している業界の人間としては、情報自体の欠陥を技術のせいにされてしまうのは悲しいことです。せめて僕らはその違いを意識し、啓蒙できる立場でいたいものです。
2003・12・30
真のコミュニケーション
「使い古された言葉」という表現は良く使われる。使い古されるってことは、長い間かかってもわかりづらいことだったり、意味が広くて収束しないからなんだと僕は思う。言葉は使い古されると威力を無くし空気みたいになってしまうから、たまに再定義が必要になり「ああ、そういえばそうだった」なんてことを繰り返す。
「コミュニケーション能力」という言葉も相当使い古されちゃっている。意味が広いわりに言葉がポピュラーすぎて空気化直前だ。そこで僕が思うコミュニケーション能力というものを書いてみたいと思う。
コミュニケーションって簡単に言うと
自分が(正しいと)思っていることを相手に伝えることだ。コミュニケーション能力をステップ分けしてみると大体こんな感じだろうか。
step1:知っている
step2:相手に正しく伝えられる
step3:相手から正しく伝わりやすい自分でいること
以下それぞれ考えてみる。
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