Microsoft Sharepointの調査レポート
Microsoft Sharepointの調査をしたので結果を載せます。 Webでは見づらいのでテキストファイルもそのまま添付します(utf-8、org-modeフォーマット)。
* SharePoint調査
* 参考URL
- SharePointアーキテクチャ入門
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/techreview/gb_share001/gb_share001_03.html
- SharePoint Server 2007によるエンタープライズ・ポータルサイト構築
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/operation/sharepoint200701/sps200701_01.html
- Windows SharePoint Servicesがもたらす次世代チーム・コラボレーション
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/dnsvrguide/wss/wss_01.html
- 【どう変わる?Office 2007(6)】SharePoint編
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060605/239940/
* 製品ライン
- Windows SharePoint Services 3.0 (以下WSS) => ベース。無料
- Microsoft Office SharePoint Server (以下MOSS) => WSS上のアプリ。有料
- GroupBoard Workspace: 日本のMSが独自開発したWSS上のアプリ(無料)
- 行先掲示板や施設予約
* 配布について
- Windows Server2003には、Windows SharePoint Services 2.0が標準添付
- Windows Server2008から、標準添付ではなくなった(無料でダウンロードおよびインストールは可能)
* リリース変遷
- SharePoint Team Services(STS)1.0
=> WSS2.0
=> WSS3.0
- SharePoint Portal Server 2001 (SPS2001)
=> SharePoint Portal Server 2003 (SPS2003)
=> Microsoft Office SharePoint Server 2007 (MOSS2007)
* 製品構成
WSSは以下に依存
- Internet Information Services(IIS): 無料
- ASP.NET: 無料
- SQL Server: 有料 (WSSはSQL Serverのエンジンだけを取り出したSQL Server MSDE:無料(Desktop Engine)を利用可能)
- ActiveDirectory: 無料 (なくても動く)
- Windows Server: MSはここで儲ける
* SharePoint闘争の歴史(対MS製品)
- SharePoint: IIS(Webサーバ) + ASP.NET(アプリケーションサーバ)上のポータル用途のWebアプリ(ポータルとファイル共有) => グループウェアに進化
- Exchange: メールサーバから進化したグループウェア(メール+スケジュール+ToDo)
発展の経緯から、
- SharePointのクライアント: Webブラウザ
- Exchangeのクライアント: Outlook
その後、
- OutlookからSharePointフォルダにアクセス可能になった(SharePoint2007。WebDAV?)
- MS-OfficeからもSharePointへアクセス可能に
=> Exchangeはグループウェアの役割をSharePointに譲り、メッセージングサーバという位置づけに変わる(らしい)
情報源: http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060605/239940/
(チープ革命: チープなSharePointがリッチなExchangeを追い払っている印象)
* MSの混乱
- Exchange: メールサーバ、アドレス帳、スケジュール共有、ToDo共有
- SharePoint: ポータル、掲示板、ファイル共有、ワークフロー、blog, wiki、プロジェクト管理、文書検索(統合検索)
- Active Directory: ディレクトリサーバ
- Live Communications Server: chat(クライアントMessenger)
# Grooveも含めて、役割がカオス状態なのが実状
* WSS2.0を試用して目についた機能(WSS2.0は2003年発売の1世代前のバージョン)
- Windows認証を無効にして、basic認証を有効にしないとまともに検証できない
- フォームのフィールド相当のことを「列」と呼んでいる(英語ではおそらくcolumn。RDBの用語が前面にでている)
- フォームのフィールドの追加や削除はUIから簡単にできる(さすがMS)
- フォームのフィールドの並び順はUIで簡単に設定可能(さすがMS)
- フォーム上のフィールドは、上から単純に並ぶだけ(UI的なグルーピングやレイアウトの調整機能はなさそう) => Office InfoPathがあればデザインレイアウトができる?
- 「参照」列で、別テーブルの指定した列を参照(RDB的には外部キーを持ってjoin) => 値をコピーしているのではない(参照先の値が変わると、参照元も変わる)
- UIから簡単に一覧リストビューを追加できる(さすがMS)
- 一覧ビューは2種類: リストビューとカレンダービュー
- グループ化、フィルタ、ソート、集計などをUIから設定可能
- 計算列(フォームに存在せず、一覧ビューだけに存在する列)はない? (Notesに負けている)
- 集計フィールドの関数(VBAっぽい関数)の利用例
- len([タイトル])
- 開発まわりは、色々クライアントに要求する(たぶんMS-Office) => MSに忠誠を誓うか否か。この辺りは評価が分かれるところ
** WSSの用語
- ナビゲーションメニューのことは「クイック起動バー」
- ポータルのことは「ページ」、ポートレットのことは「Webパーツ」
- アプリケーション相当のことは「コンテンツ」 => 「ページ」と呼んでいるところもある
* fyi, 列(フィールド)の種類(WSS2.0)
- 1行テキスト
- 複数行テキスト
- 選択肢 (メニューから選択)
- 数値 (1, 1.0, 100)
- 通貨 ($, ¥, £)
- 日付と時刻
- 参照 (このサイトにある既存の情報)
- はい/いいえ (チェック ボックス)
- ハイパーリンクまたは画像
- 集計値 (他の列を元にした計算結果)
* 権限(WSS2.0)
- リスト アイテムの表示
- リスト アイテムの挿入
- リスト アイテムの編集
- リスト アイテムの削除
- 個人用ビューの管理
- リストの権限の管理
- リストの管理
* WSS3.0インストールの記録(なぜか、苦労しました)
必要: .NET Framework 3.0
ほぼデフォルト環境WSS2.0(on Windows Server 2003)なのにアップグレードでエラー発生...
- http://support.microsoft.com/kb/938216/ja
結局、起動せず
諦めてWindows Server 2008に変更
Windows Server 2008からWSSの標準添付が外れたので、自力でインストール。WSS3.0SP1が必要
- http://support.microsoft.com/kb/943587
インストール手順
- http://technet.microsoft.com/en-us/library/cc287813.aspx
OSもWSSもクリーンインストールなのに、問題発生...
- http://support.microsoft.com/kb/891538/ja
一応、動きましたが、無駄に苦労しました。
* WSS3.0を試用して目についた機能
- 相変わらず、Windows認証を無効にして、basic認証を有効にしないとまともに検証できない
- WSS2.0より品質が低い(デフォルト状態でしばしばリンク切れ...)
- アプリ作成で成功画面にならない
- タスクの権限の編集でリンク切れ
- WSS2.0より体感で分かるほど遅い(同じハードウェア。Windows Server 2008の影響?)
- ユーザとグループの概念ができた(ようやく)
- カレンダー画面が綺麗になった
- プロジェクト管理アプリは画面が綺麗だが使いにくい(ProjectAの方が勝っている)
- ごみ箱ができた
- 権限の継承がついた
- ワークフローがついた(打倒Notes?)
- 列の追加で、(RDBの)indexを意識させるようになった(正しい? 退行?)
- カレンダービューがなくなって、ガントチャートビューが追加された(カレンダービューも悪くないと思いますが)
- 新機能: blog, wiki, RSS
** ユーザ追加手順
1. ActiveDirectoryにユーザ追加
2. WSSで使えるユーザに設定
- 妙に面倒です
* WSS3.0のワークフロー
- 選択肢タイプの列(フィールド)を持つフォーム(=RDB的にはテーブル)に対してワークフローを適用できる(列値がワークフローの状態を担う)
- ユーザアクションによってワークフローの状態遷移
- ワークフローの状態遷移は3段階に限定(MOSSでは違うかも)
- 遷移時に、対象文書へのリンクを持つタスク作成もしくはメール送信のアクションが可能
* SharePointの内部構造
- サイト(階層構造)
- ホーム(=portal)
- Webパーツ(=portlet or gadget)
- リスト(=db-table)
サイトの階層構造は組織構造よりも、ファイルのディレクトリ階層のイメージ(SharePointはCMSの印象が強い)
引用
SharePointでは、データ・ストレージとして機能するリストとWebパーツと呼ばれるプレゼンテーション・コンポーネントを利用してポータル・サイトを作成する。提供されるリストやWebパーツをユーザーが任意に組み合わせて、独自のポータル・サイトを作成可能だ。
=> 要はmodel(=リスト)とview(=Webパーツ)
* GroupBoard Workspace 2007
GroupBoardにある機能は、逆説的にSharePoint単体で不足している機能(Notesを思い起こさせる)
主な機能(Webから引用)
- チームメンバーのスケジュールを共有
- 組織図からメンバーを探す
- 行き先掲示板で社員の行き先を確認
- 新着情報で常に最新の情報を共有
- タイムカードで勤怠を管理
- 電話メモで伝言
- 回覧板・通達を送る
- 携帯電話からのアクセス
- Microsoft Office IME 2007 辞書用リスト
* GroupBoard Workspace 2007を試用して目についた機能
- スケジュール作成画面で、オンデマンドに空き時間検索できる(MS Japan頑張った)
- (ほんの少しExcelっぽい操作感の)勤怠管理アプリ(MS Japan頑張った)
頑張っているのはこのふたつだけ。後はしょぼいPHPアプリ並のお遊びアプリ(MS Japan残念)
* Notes vs. MOSS
- http://download.microsoft.com/download/8/e/a/8ea58fbb-2ecb-4991-bbdd-d9509ce883db/MOSS2007_for_Notes_Domino_Users.exe
ワークフロー設計手順の比較など
MOSSの管理機能の弱さがうかがえる
> メモ: Office SharePoint Server 2007のワークフローでは 上記標準ワークフローの他に
> ・SharePointDesigner2007 による コーディング不要な カスタムワークフロー
> ・VistualStudio2005 を使用した コーディングによるより高度な カスタムワークフロー
> を作成しワークフローを実行することが可能です。
* misc. (Notes vs MOSS)
Notes => MOSS
- http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=201b92bc-b3a2-4a9c-ae03-ae474bdd4d33&DisplayLang=ja
Notesからのデータ変換ツール(逆説的にMOSSでできないことが分かる)
- http://www.microsoft.com/japan/solutions/notes/default.mspx
Notesをけなす営業トーク
- http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=72a947d9-e75f-4eae-b153-e0b4a16442d9&DisplayLang=ja
NotesからADとExchangeへコンバート(メール+アドレス帳+ディレクトリ(=ユーザ+グループ)) => かなり敷居が高い
- http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/techreview/gb_share001/gb_share001_01.html